まみクリ新聞インプラント特集も終盤となってきました。
このブログを通して皆様のインプラントへの疑問に少しでもお答えできていれば幸いです。みなさんもう少しお付き合いして下さいね。
さっそくですが、今日はホワイトデーです。春めいた陽気に誘われ心もワクワクしますね。
ところで、ホワイトデーの由来ってご存知ですか?
そもそもバレンタインデーは3世紀のローマ皇帝クラウディウスが出した、恋愛による結婚禁止令に違反した男女を救うため、2月14日に殉死した聖バレンタインを記念して、設けられたものです。それからひと月後の3月14日、その男女はあらためて2人の永遠の愛を誓いあったということです。その日を記念したのがホワイトデーでヨーロッパをはじめ世界中の多くの人々に語り継がれてきました。毎年なんとなく過ごしていますがこのような背景を知るともっと心のこもったホワイトデーになるのではないでしょうか。
インプラントも同様、インプラントそのものだけに注目するのではなく、背景を大切に考えています。そこで今回は、インプラントを成功させる為に当院が何を行っているのかを紹介しています。
インプラントの成功と美味しいリンゴ!?どんな内容なのでしょうか・・・。
みなさんは、美味しいリンゴとはどのような物を想像されるでしょう。
赤々と色艶が良く、蜜がたくさん入っていて、甘く、サクッとした歯ごたえ。考えるとつい食べたくなってしまいます。そんなリンゴに出会えたとき、どこで作られたのだろう?どんな人が作ったのだろう?と興味が湧きますよね。最近では、生産されている場所や作っている方のお名前や顔写真が紹介されていて、「へ〜、斉藤さんという方が作ったんだ〜。」なんて思うことがあります。農家の方は皆さんの手元に美味しいリンゴが届くよう、リンゴができるまでの過程や環境を守り、それを作り続けることを日々努力されているのでしょう。
プロとしてのプライドと作る事への熱意が必要ですし、見様見真似でできる事ではありませんね。インプラント治療も同様で、インプラントそのものだけに注目するのではなく、プロがインプラントの成功を考えたとき、どのようにして成功したのか、どのような環境が必要なのかを理解する必要があります。本物の原点を知り、原理原則を忠実に守り、実行していく事が大切なのです。
以下では、インプラントを成功させる為に実際にどのような事を行っているかについて説明したいと思います。
美味しいリンゴを作るには、【太陽】【水】【土】が必要です。
インプラントの成功に必要なのは、【知識】【環境】【手技】です。ここで少し両者を重ね合わせていきたいと思います。
【知識】インプラントの原点に触れます。世界最古のインプラントはトルコ古墳で発見された石製のインプラントで紀元前550年のものと推定されます。現代のインプラント治療を確立したのは、スウェーデンのブローネマルク教授とそのチームです。彼らの功績は、インプラント体と生体間に生じる現象を科学的に研究し、生体に適切な反応をするインプラントの材質、デザイン、表面性状などを解明し、インプラントを成功に導く厳格な治療法の標準(プロトコール)を示しました。他に例を見ない長期に渡る研究開発期間、誠実なデーターの取り方、また、多数の科学的論文などからEBM(Evidence Based Medicine=根拠に基づく医療)を語れる唯一のインプラントシステムだと言えます。ブルーネマルク教授は、13年もの間、インプラントの実験、研究、解明に費やし、1965年に初めて無歯顎の患者さんにインプラント治療を行いました。当時埋入されたインプラントは40年経った現在も、患者さんのお口の中でしっかりと機能しています。当医院では、原点から原理原則まで、教育やトレーニングを受けた歯科医師、歯科衛生士を必ず確保し手術を行っています。
【環境】手術を行うには、手術室あるいはそれに準ずる環境が必要であると文献に記載されています。インプラントの成功には必ず、このような環境下で行うことが必須です。そのため、当医院では手術室を使用し、病院での外科手術と同等のできる限り無菌的な環境を作っています。また、手術の一週間前には患者さんにPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning=専門科による機械的な歯の清掃)を実施し、手術前には歯のみならず舌に至るまでPTC(Professional Tooth Cleaning=専門科による歯の清掃)を行います。手術室に入ってからは、口腔内、口腔外の消毒をします。
キャップとマスクを装着し、消毒液を使い床や壁を消毒します。
患者さんは手術着に着替えて頂き、歯のみならず舌に至るまで口腔内全体を清掃します。
手術室に入ってから口腔内および鼻から首にかけて消毒します。
滅菌水を使用しての手洗いを行っています。スウェーデンで実際に行なわれている手洗い様式やその環境と同様のスタイルをとっています。
【手技】手術では一般的な外科学の原則にのっとって、手術する部位の細胞が治癒しやすいように、より厳格な手術が要求されます。実際の手術で使用されるインプラント専用ドリル等は大変高価なもので、手術の状況に応じて多数使用されます。そして、それらの専用ドリルは、滅菌処理をすれば基本的には再利用は可能ですが、滅菌して繰り返し使用することでドリルの刃の切れが悪くなり摩擦による骨の火傷を引き起こす可能性があります。そのため当医院では、インプラント専用ドリルを再利用することなく全てを破棄し、使用するものは安全性、信頼性の確保のため、全て新品を使用しています。また、手術着などの消耗品も、全てディスボーザブル製品を使用しています。
『リンゴの実を美味しく作ること』つまり、【太陽】【水】【土】といった環境作りが大切なように、『インプラントの成功』にも、【知識】【環境】【手技】の原理原則を忠実に守ることが大切です。
私たちはこれらを忠実に実践することで、インプラントの安全性、信頼性を確保し、成功率を維持するよう努めています。
いかがでしたか?長い文章におつき合いいただきありがとうございました。
次回は『インプラントと骨がくっつく為の6つの条件』についてお届けしたいと思います。