だんだんと涼しく、秋らしい陽気になってきましたね。先日近所の小学校では運動会が行われていました。少し肌寒い中、汗を流している子供たちの姿はすがすがしく感じました。皆さんはどのようにお過ごしでしょうか?
さて、今回の質問です。
「歯を抜いた後、唇の端が痛いのですがなぜでしょうか?」
唇の端(上唇と下唇の境目)は口角といい、口角が痛いのは口角炎を起こしていることが考えられます。
口角炎とは、口角の皮膚や粘膜に潰瘍や亀裂を生じてしまうことです。
原因としては以下の①〜⑦があげられます。
① 唾液の量が多い
② 咬み合わせが低くなるなど、お口の環境が変わった
③ 口角をなめるなどの悪習癖がある
④ 機械的な損傷を受けた
⑤ 胃腸の調子が悪い
⑥ 全身の免疫力が低下している
⑦ 全身疾患により、栄養状態が不良になっている
今回は④の機械的な損傷を受けたために口角炎を起こした可能性が高いです。
歯科治療を受けたことのある方は経験があると思いますが、治療の際に口角を強く引っ張られたことがありますよね。それは治療の際、きちんとお口の中を見るために、器具で口角を引っ張るからです。特に歯を抜くなどの外科処置の場合は強く引っ張ることがあります。十分に注意をして行っていても、器具が口角をこすったり強く圧迫した場合、潰瘍や亀裂が生じ口角炎を起こすことがあります。 口角にワセリン等を塗ると滑りがよくなり、機械的な刺激をやわらげることが出来ます。
口角炎は一般に1〜2週間の経過で自然に治ることが多いですが、口角は開閉運動をしてよく動かす場所なので、治るまでは大きなお口を開けることは控え安静にして下さい。また口角の傷口からお口の中の細菌が入り感染する可能性があるので、お口の中をできるだけ清潔に保つことも大切です。これから空気の乾燥する季節になってきますが、乾燥は口角炎を悪化させることもあるので、リップクリームを塗るのも良いと思います。 気になったり痛みが強い場合には、軟膏を塗るなどの対応をしていますので、歯科医院に相談してください。