ご 案 内

 

  • 当医院では、一般の方々向けに健康歯考講座を定期的に開催しております。
    本講座は、健康な歯を維持し、虫歯や歯周病を予防し、お口のQOLを向上するために役立つ知識、考え方、そしてさまざまな治療法に関する正しい知識等を公開している講座です。
    講座の日程、お申込みなどの詳細はこちらをご覧ください。
  • 当院ではご覧頂いている「健康歯考ブログ」の他に、公式ホームページにてインプラント治療に関する「インプラントブログ」、歯科全般に関する「予防治療ブログ」、「PMTC専門サイト」を開設しております。
    よろしかったら、そちらもご覧になってください。

歯科インプラントの歴史的背景を教えて下さい?E

初めてインプラントの手術を受けた方は、その後どうなったのですか?



実は、現在は亡くなられてしまったのですが、お口の中では、最後までインプラントは機能していたようです。

実際には、インプラントの手術をした時に、今のような手順が確立されていいたわけではなく、何と近年になり行われるようになった早期加重も試されており、残念ながら最初に埋め込まれたインプラント体の一本はしばらくして、問題が起こって一度取り除かれ、その後にまた新たに埋め込まれたりしたのですが、40年以上にわたり使い続けられたのです。

 皆様からの質問をお受けしています。御質問のある方はこちらへどうぞhttp://blog.118.md/category/1209586.html

歯科インプラントの歴史的背景を教えて下さい?D

前回のブログでお話ししたことで訂正があります。

ブローネマルク教授A.png私は、今まで皆さんにブローネマルク教授は自分の研究である骨髄内微小循環観察の目的で、ウサギの脛の骨にチタン製の顕微鏡を埋め込んで観察した後、その顕微鏡を外そうとしても、骨とくっついて取れない事を発見しました。それは、1952年のことでした。とお話ししていました。この事は数多くの歯科医師がいろいろなところで教わってきたことでしたが、大きな間違いがありました。

先日、私が、師と仰ぐ歯科医師によるインプラントの講習会があり、参加をしてきました。この先生は、本当に先生と呼ぶに匹敵する方で、知識、技術、そして人間性もすばらしい方です。ブローネマルクシステムを日本に導いて下さったパイオニアといえる方です。その講義の中で、明らかにされたことなのですが、1952年とは、ブローネマルク教授が大学に入った年であり、チタンが骨とくっついて取れない事を発見したのは、1956年以降が正しいということでした。

今まで何も考えず信じていた自分が恥ずかしく思っております。今後はこのようなことのないようにもっともっと勉強をしていきたいと思います。

さて、それでは前回の続きです。



チタンが骨とくっついて取れない事を発見した後ブローネマルク教授は約10年近く、「なぜ骨とチタンがくっつくのか」「どのような条件の下でくっつくのか」と基礎研究、動物実験を繰り返しました。そして1965年人体におけるインプラント手術が行なわれたのです。1965929日は、初めて人の口にインプラント手術が行われて成功した日といっても過言ではありません。

古代から様々なインプラントが試され、20世紀にはいっても、失敗が繰り返される中、インプラントの不幸ともいえる歴史を大きく変える記念すべき日となったのです。
 皆様からの質問をお受けしています。御質問のある方はこちらへどうぞhttp://blog.118.md/category/1209586.html

歯科インプラントの歴史的背景を教えて下さい?C

もう少し詳しく、ブローネマルク教授の発見とブローネマルクシステムインプラントの歴史について教えて下さい。



ブローネマルク教授はスウェーデン、イエテボリ大学の解剖学教室の医師で、当時、自分の研究である骨髄内微小循環観察の目的で、ウサギの脛の骨にチタン製の顕微鏡を埋め込んで観察した後、その顕微鏡を外そうとしても、骨とくっついて取れない事を発見しました。それは、1952年のことでした。

ちなみに私が生まれる前の事です。

そして、ブローネマルク教授が凄いのは、ただ、発見した事にとどまらず、何故、骨とチタンがくっつくのか、それはどういう条件のもとに起こるのかを研究し始めたことです。

そして、1952年にチタンが骨と直接くっつく事を発見してから、13年にも及ぶ基礎研究(デザイン、動物実験等)を行なったのでした。 皆様からの質問をお受けしています。御質問のある方はこちらへどうぞhttp://blog.118.md/category/1209586.html

歯科インプラントの歴史的背景を教えて下さい?B

日本で、このブローネマルクシステムはいつ頃導入されたのですか?

日本では、198367日に、来日されていたブローネマルク教授自らの手により、一回目の手術が行われました。ブローネマルク教授滞在中の二週間で、8症例の手術が行われました。

昨年は、それから25年目の年だったのです。

余談ですが、この時、ブローネマルク教授は、手弁当で参加されたそうです。今となってはとても考えられないようなことですが、その当時の日本は、インプラントに対して懐疑的な目を持っていたこと、それからブローネマルク教授と教授を日本に招待された歯科医師は、自分たちが造り上げたインプラントシステムを広く普及させるために尽力していた姿がうかがえます。この努力なしに日本での近代インプラントの普及は考えられません。

歯科インプラントの歴史的背景を教えて下さい?A

前回からの続きです。


現在、世界中で広く行われているインプラント治療の技術は、1952年、スウェーデンのブローネマルク医師によって発見され、13年もの研究を重ねて、確立されました。

そして、1965年人体におけるインプラント手術が行なわれたのです。

1965
929日は、初めて人の口にブローネマルクチームにより、インプラント手術が行われて成功した日なのです。

いまから、40年以上前のことになります。その後も、改良は加えられましたが、基本的なコンセプトは全く変わらず、現在でも行われています。

現在あるブローネマルクシステム以外の多くのインプラントシステムも、この基本コンセプトを応用しています。

つまり、現在行われている近代インプラントの歴史は、約40年になるわけです。

歯科インプラントの歴史的背景を教えてください?@

歯科インプラントの歴史的背景を教えてください?small?R.jpg

《インプラントの歴史》

インプラントの歴史についてお話しします。
過去には様々な時代に世界各地で動物の歯、石、象牙、乾燥した骨などがインプラントの材料として試されていた記録があります。

古くはインカ帝時代にインプラント治療と考えられるものが行われたことを証明する、歯が抜けたところにエメラルド製の歯根が植えられたミイラが、南米ペルーのマリ市博物館に、展示されています。

現存する世界最古の成功した(科学的に検証された上で)と言われるインプラントはハーバード大学Peabody考古学、人類学博物館に保管されています。1931Willson Popeoe 博士夫妻によりホンジュラスで発見されま
した。

大昔、古代マヤ文明時代のもので、なんとそのインプラント体は真珠貝製です。数本分のインプラント体が埋められていて、レントゲン撮影によってインプラント体と骨との結合が一部認められたことから、『成功していた』と科学的に証明されているインプラントです。

その後もおそらく世界中で様々な形のインプラント治療が試行錯誤のうえ繰返されましたが、ほとんどが良く噛むことができず失敗に終わっていたようです。このようなことが、1960年代まで繰り返されていました。
 

皆様からの質問をお受けしています。御質問のある方はこちらへどうぞhttp://blog.118.md/category/1209586.html

そもそもインプラント治療ってなんですか?

 昨日、ブログの更新ができませんでした。新年早々からすみませんでした。

さて、新年、はじめのインプラント治療Q&Aになります。

そこで、今回は一度基本に戻ってみようと思います。

 

そもそもインプラント治療ってどんな治療法ですか?

 

インプラント治療とは、歯科治療だけではなく医療では良く行われる治療です。人工の医療材料や医療用部品等何らかの人工物を体内に入れる治療のことを表します。例えば、良くお聞きになるものとしては、外科治療で、骨折した部をボルトでつないだり補強したりする事や、関節を人工関節に置き換える治療を表したり、心臓のペースメーカーなどを埋め込むこともインプラントといいます。

そして、歯科におけるインプラント治療とは、歯のない場所のあごの骨の中に、人工の歯の根っこを埋め込み、それを土台にして、独立した歯をつくることを表します。人工臓器の一つといえ、現在、臨床応用されている人工臓器の中では、最も完成度の高いものであると考えられています。

 同じ人工の歯でも、入れ歯は体内に植え込むわけではありませんからインプラントとは呼びません。ことしも一年、皆さまに多様なりともお役にたてるブログにするように頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いします。今年も、皆さんからの質問をお待ちしていますので、よろしくお願いします。質問はこちらへ、http://blog.118.md/category/1209586.html

自分に合ったインプラント治療と医者選びのチェックポイントとは?

自分に合ったインプラント治療と医者選びのチェックポイントとは?

いつも申し上げることですが、どのような治療法であっても、欠点、あるいはリスクはあるものです。 

 ですから、担当医と十分に話し合うこと、あるいは話し合える環境があることが大切です。インフォームドコンセントとよく言われていますね。日本語では説明と同意というふうに理解されることが多いようですが、同意するには、理解が必要であり、理解するにはわかりやすい説明が必要です。

 ひとつの指標ですが、ご自身が十分理解できるまで説明してくれることが歯科医院選びでは大切ですね。ただし、私たちも時々困惑する事があるのですが、患者さん側が、ご自身に都合の良いことだけを理解してしまって、それで納得されてしまう事がある場合があります。これは、もちろん医療者側の説明が不十分なこともあると思うのですが、場合によっては、患者さん側が強い固定観念を持ってしまっていたり、全てを理解したつもりになってしまう事もあるようです。やはり、スマーフ15.jpgよく話し合い、お互いが理解できることが大切だと思います。

 このブログでも何度も出てきたことですが、欠点のない治療法はありません。ですから、利点だけに惑わされずに、その欠点も十分に理解できた上で医院、あるいは治療法を選択されることが大切ですね。

 現在では、インプラント治療は、きちんと治療が行われれば安全で比較的長期にわたりほぼ自分の歯と同じように使えるものになっています。

 しかし、インプラント治療が必要だということは、一度、何らかの理由で歯を失っているということになります(ごく稀に先天的に歯がないという事もありこれは例外です)。

 何よりもまず、歯を失った原因をきちんと究明し、それを解消することが大切となります。それが不十分だと、たとえインプラント治療を受けたとしても、また今度はそのインプラント自体を失うことになりかねません。

 そして、術前のX線やCT等の画像診断などの検査を入念に行い、正確な治療計画を立て、患者さんが十分に納得した上で、治療が始まるべきだと考えています。

 また、インプラント治療を長持ちさせるためには、治療後のメンテナンスもとても大切になります。このような事項を事前に十分説明してもらえることが大切ではないでしょうか。

 また、今回掲載したようにインプラント治療にはいろいろな方法があります。それらについてもそれぞれの利点欠点の説明を十分にしてもらう事が大切です。

 これもよくお話ししているのですが、利点だけにとらわれるのではなく、その欠点に目を向けそれを受け入れることができるかどうかもよく検討されることが大切ですね。もちろん、必要があればセカンドオピニオン(こちらの下段のほうにもセカンドオピニオンについて掲載していますので、どうぞご覧下さい。http://www.118.md/qa.asp#3)を取るべきでしょう。

 後悔しないようにきちんと見極めていくことが、大切です。 

骨が少なくインプラントを通常の方法で手術するのが難しい場合は、どのような治療方法を選択していくのですか?

バイキング2.jpg先生のお考えでは、骨が少なくインプラントを通常の方法で手術するのが難しい場合は、どのような治療方法を選択していくのですか?

まずは、3Iテクニックの様な方法が選択出来ないか、つまり多少長さが短くなり、インプラントの方向が傾斜したとしても、この方法を第一選択として考えます。あるいは、ショートインプラントを選択します。短くすることで、インプラント体自体がゆるみやすいというリスクはあるかもしれませんが、骨移植よりは、こちらを第一選択とします。また、インプラント体自体の長さを少しでも長いものを使用するために、ソケットリフト
http://blog.118.md/article/13349914.htmlを次には、考えます。

そして、これらの選択が、不可能な場合、インプラント自体をあきらめ、義歯あるいはブリッジも選択肢として考えて頂くか、やはりどうしてもインプラント治療を選択されたいような場合は、骨移植
http://blog.118.md/article/13346603.html(基本的に自家骨のみを使用する)を選択していただくようになります。

インプラント治療をするにあたり、骨造成をしないですむなら他の方法を選択出来ないか検討するとはどういうことですか?A

バイキング.jpg昨日は、スタッフとともに日帰りで、大阪までインプラント治療の研修を受けに行ってきました。二週間前にも、大阪で研修があったため、ちょっと大阪づいております。二回の講習会で得られた知識を少しでも日々の臨床に活かしていきたいと思っております。本来は、金曜日にアップする予定のブログなのですが、予定を変更させて頂き本日アップしました。どうぞご覧になってみてください。


前回お話ししたショートインプラントとは別な方法で、可能な限り歯がないところの周辺の骨をCT等で調べ、現存する骨を利用し歯が埋まっていた方向とは、違う方向に、たとえば、見た目上は傾斜させてインプラント体を埋め込むことで移植などを避ける、3Iテクニックと呼ばれているものがあります。

手術後の見た目、つまりレントゲン上では、方向が違ったように見え、傾きが大きく見えることで違和感はあるかもしれませんが、実際問題人間の歯の根はけしてまっすぐではありませんし、特に奥歯の根は何本かあり、それぞれがいろんな方向を向いています。

ある有名な論文などからも、インプラント体を意図的に傾けたとしても、インプラントの成功には何ら問題がないという事が解っています。最近注目を集めている、オールオンフォーコンセプトもこの、意図的にインプラント体を傾斜させて埋めるという方法を取っているのです。

この方法のメリットは、移植というプロセスが避けられることです。デメリットとしては、骨の量が少ない場合が多いため、短いインプラント体になる可能性があるということです。また、技術的なものが要求されるため、術者依存度(先生の腕による部分)が高い方法となります。

インプラント治療をするにあたり、骨造成をしないですむなら他の方法を選択出来ないか検討するとはどういうことですか?

骨造成をしないですむなら他の方法を選択出来ないか検討するとはどういうことですか?  

 骨を新しく作るわけではないのですが、他にも最近注目されている方法がいくつかあります。ひとつはショートインプラントという考え方です。読んで字の如く、短いインプラントを埋め込むというコンセプトで、基本的にはある程度骨が存在していたとしても、あえて長いインプラントではなく短いインプラントを選択的に使用していくという考えです。これを応用し、骨が少ないところでも可能ならば、無理に移植などせずに短いインプラントを積極的にしようしていこうというものです。研究によるとインプラントが、咬む力に耐えるのは、インプラントの入り口に近い部分の骨の存在が最も重要であり、入口の数ミリ程度の骨が力の負担をほとんどになっていることが解ったために、それなら長いインプラントをあえて使用する必要はないのではないかという結論に至ったということです。臨床的にも良い結果が報告されていますが、これとは相反するように、過去の研究の中にはやはり短いインプラントは成功率が下がる傾向があるというものもあります。実際のところ術者依存度(先生の腕による部分)があるのかもしれません。実際問題、メリットは、移植というプロセスが避けられることです。デメリットとしては、短いインプラントが何らかの問題で緩んでしまい結果として使えなくなる可能性が、長いインプラントよりも頻度が高い可能性があります。  

 

先生は、インプラント治療に際し骨造成をすることに対してどう考えているのですか?

先生は、インプラント治療に際し骨造成をすることに対してどう考えているのですか?



スマーフ14.jpg
今まで、様々な骨を増やす方法をお話してきました。これらの方法は、現在広く認知されているものがほとんどです。しかし、その施術には、まだまだ慎重になるべきだと考えております。


実は、骨造成をした部分へのインプラント治療の成功については、2000年以前、1980〜1990年代は、成功率が低いとされる報告が多かったのです。しかし、2000年以降になり、たとえ骨造成をした部分へのインプラント治療でも、高い成功率を示す。あるいは成功率に違いがない。という報告が見られるようになってきています。これが、治療方法の進歩等によるものなのか?それとも、こちらに良い解釈をしてしまっているものなのか?はまだ分からないのです。基本的なインプラント治療に比べ、骨造成をした部分へのインプラント治療の研究は、経過観察の期間が短いといえます。

ある歯科大学のインプラントシンポジウムのコンセンサスでは、骨造成の目的は、インプラント埋入手術時に既存骨だけではリスクの高い症例に対してリスクを軽減するためのものであり、長期的に骨量を維持することを目的にしたものではない。したがって審美性の改善を目的とした骨造成術の長期的な予後には疑問が残る。

インプラント前手術として行われる骨移植術において、移植された骨は経時的に減少する。この骨吸収は移植後から始まり、同部にインプラント治療を施した後の咬合力の機能下においても継続する。

とあります。

つまり、現時点でも可能な限り骨造成に頼らない方法をとる方が成功率は高い可能性がありますが、骨造成がすべて問題を起こすわけではけしてありません。



私としては、慎重に検討する事が大切だと考え、骨造成をしないですものなら、ほかの方法を選択できないかを検討します。

リッジエクスパンジョンとは、どのような方法なのですか?

骨の深さはあるのですが、幅が狭くこのままではインプラントができないので、骨を移植するか、リッジエクスパンジョンという方法で骨を広げたほうが良いと言われたのですが?リッジエクスパンジョンとは、どのような方法なのですか?
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リッジエクスパンジョンは、ソケットリフトと同様に、基本的には骨を移植するのではなく、特殊な器具でインプラントを埋め込む場所の骨を押し広げることで、特に骨の幅を物理的に増やすものです。

また、明視野(直接目で確認しながら)で行う事ができるため、安全性は低くはなく、それほど難易度は高くありません。しかし、確実性に多少の問題がある場合もありますし状態によっては押し広げた部分に骨を移植する必要があります。また骨が薄すぎると骨折を起こすこともありますので、これも、ある程度の熟練を要する処置といえます。

インプラントの術後の痛み

もうすぐ12月。1年があっという間に過ぎようとしています。ここ数日、とっても寒くなってきました。

先日、ホットカーペットを出して、ゴロゴロと過ごしていたら案の定眠りについてしまい風邪をひいてしまいました。みなさんは体調を崩さないように気をつけて下さい.

  

さて今回は、「インプラント手術は痛いと聞いたので心配です。また、手術後も痛みが続くのでしょうか?」という質問にお答えしたいと思います。

 

インプラント治療に限らず、手術と聞いて、痛みを心配されるのは当然のことと思います。

今回は、実際に当院でインプラント手術を受けられた方の感想をもとに、お話をさせて頂きます。

 

はじめに、手術はどうでしたか?という質問に対しての感想です。

「手術前に聞いていた通り、手術中は寝ていて、ほとんど分かりませんでした。痛みを感じることもなくリラックスして受けることができました。」

当院のインプラント手術では、お口の中に行う局所麻酔と腕から点滴を採って行う静脈内鎮静法を併用して行います。局所麻酔は、虫歯や歯を抜く治療の時と同じ麻酔法です。静脈内鎮静法は、できるだけリラックスした状態で手術を受けて頂くために行なう麻酔法で、感想の中にあったようにほとんどの方が、手術中は寝てしまっています。手術が終わると目を覚まし、手術中のことは全く覚えていないか、断片的にしか覚えていないとおっしゃる方がほとんどです。

全身麻酔ではないので、意識がなくなるわけではありません。手術中に強い痛みがあれば寝ていたとしても、痛みでとびあがることでしょう。実際には、みなさんが考えているように、手術中に痛むということはほとんどないと思います。

 

次に、手術後に痛みはありましたか?という質問に対しての感想です。

「歯を抜いた時のようなうずく感じがありましたが、痛み止めのお薬を飲むほどではありませんでした。手術後は、うちでのんびりしていましたが、いつも通り過ごしました。」

手術後、痛みが強くて我慢ができないと言われたことは一度もありません。ただ、手術をしたところよりも、器具でひっぱっていた唇が痛いと言われたことはあります。これは、大変申し訳ないのですが、安全にインプラント手術を行うためには、必要なことなのです。狭いお口の中で、手術をおこなうために口を大きくあけて頂いて、唇をひっぱったりしなければなりません。ただし、

数日のうちに改善しますので、ご安心下さい。

 

以上が、患者さんの感想をふまえた回答です。ご参考になれば幸いです。

人工的に骨を作成することで手術を可能にするソケットリフトと呼ばれる方法とは、どのような方法ですか?

骨の量が十分でなくインプラント手術ができない人でも、人工的に骨を作成することで手術を可能にするソケットリフトと呼ばれる方法とは、どのような方法ですか?

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ソケットリフトと呼ばれる方法は、基本的に上顎の奥歯の部分に骨が足らない場合、応用されるものです。基本的には骨を移植するのではなく、特殊な器具でインプラントを埋め込む場所の骨を押し広げ、押し上げ、特に骨の深さを物理的に増やすものです。比較的安全性は高く、それほど難易度は高くありませんが、明視野(直接目で確認しながら)で行うわけではないので、その場で結果の確認が正確に出来ない為、確実性という点で多少の問題があります。ある程度の熟練を要する処置といえます。

第43回 「骨移植とは、どのような方法ですか?」

 本日の質問です。

「骨移植とはどのような方法ですか?」   

  スマーフ6.jpg

 骨移植には考え方として基本的に二つの方法があります。一つは自家骨移植で、ご自身の骨を移植します。多くの場合、下顎の一部から採取しますが、場合によっては、腰骨や脛の骨の一部を採取する場合もあります。

ご自身の骨を使うため、安全性はもちろん高いのですが、手術をする時に採取するところと、移植するところの二か所を手術しなくてはならないことが、最大の欠点です。また採取する量によっては、術後に採取した部位に若干の後遺障害が出る可能性があります。

 

 もう一つの方法は、人工骨を使用する方法で、今現在は、多くの場合自家骨と混ぜて行うことが多いです。この場合自家骨の採取量が少なくて済むために、術後に採取した部位に後遺障害が出る可能性がほとんどないというメリットがあります。

この人工骨の材料は、海外で広く使用され、問題がないとされていますが、薬事の未認可のものが多く出回っているという問題や、本当にこれが安全なのかというところに疑問が残るような動物由来の骨を材料にしているものが主流であったり、残念ながらまだ疑問が残るものが多いといえます。

第42回 「人工的に骨を作成する手術方法のGBRとはどんな方法ですか?」

スマーフ5.jpg 今日は、ハロウィーンですね。でも、日本ではいったい何をしたらいいんですかね。なんとなくメディアに踊らされて、無駄な買い物をするのが関の山でしょうか?

 

さて、今日の質問です。 

「人工的に骨を作成する手術方法のGBRとはどんな方法ですか?」

 

GBRとは、比較的小さな窪みのような骨欠損に対して行われる、骨再生法です。特殊な膜(シートのようなもので、ゴアテックス製)を窪みを覆うように骨の上におき、その上に歯茎を戻して、空間を維持させそこに骨が出来上がるのを待つ方法です。

比較的簡単な方法ですが、欠点としては、その膜を確実に歯茎で覆うようにしなくてはならず、場合によっては膜が露出して感染を起こしてしまうことがあります。また、膜には二種類のものがあり、ひとつは吸収性の膜で、これは一回で手術は済みますが、このもの自体が吸収されるということは、身体に対してまったく無害なのかどうかが、問題と思えます。もちろんメーカーは、無害であると言っておりますし、認可も受けているのではありますが・・・

また、もう一つのものは、非吸収性の膜で、こちらは吸収されないため、中で骨ができた後、もう一度膜を取り出す手術をしなければなりません。

第41回 「骨の量が少なくても、人工的に骨を作ることで、インプラント手術ができる方法とは、どのようなものですか?」

スマーフ2.jpgさて、本日の質問です。 

「骨の量が十分でなく手術ができない人でも、人工的に骨を作成することで手術を可能にすることも出来る方法があるというのは、どのようなものですか?」

  インプラント治療を行う上で、重要な事は、インプラント体を埋め込む部位に必要十分な骨が存在することです。しかし、時として患者さんがインプラント治療を希望してもその場所に、十分な骨が存在しないということがあります。このようなとき本来なら断念せざるを得なかったものが、そこに人工的に骨を作ることで対処することができる場合があります。

 現在広く用いられている方法として、GBR,骨移植、ソケットリフト、リッジエクスパンジョン等があります。

第40回 「オールオン4の欠点はないのでしょうか?」

本日の質問です。

 

「先生の答えからするとオールオン4という方法は、患者にとって良いことばかりのような気がします。欠点はないのですか?

  

 いつも申し上げていることですが、欠点のない治療法は私の知りうる限りありません。オールオン4も例外ではありません。

 以前のブログでもお話しているように、オールオン4は、基本的にフラップレス手術で、即時加重を行いますので、それらの方法にある欠点が存在します。

 そして、オールオン4は、基本的に4本のインプラント体を埋め込むことで、上下の片方の顎全部の歯を作ります。しかし、日本人の様に、幅が広く奥行きが短い顎の骨格では、場合によっては(比較的高頻度で)出来上がったインプラント義歯の奥歯が足りなく、咬み心地に不満を覚えることもあります。

 また、起きてはいけないことですが、将来的にインプラント体に問題が起こり、そのインプラント体を抜き取らなくてはならなくなった場合、残りのインプラント体だけでは、とても咬みにくい状態となり、ご不自由をおかけしなければならないことが考えられます。

第39回 オールオン4とは、どのような治療法ですか?

 今日は、本来なら体育の日でしたね。

 やはりというか、不思議というかよい天気になりましたね。確か10月10日は晴れの特異日だったような気がします。なぜこの日を体育の日に決めたのか私は知りませんが、何か不思議なものを感じます。それに比べると現在のハッピーマンデーという考え方は、全くもって無粋であり、文化的な背景も感じられませんね。文化や伝統、それは決して古いだけのものではなく、人間が地球という自然の環境で生きていく上でコンピュータも使わずに本来持つ智恵で造り上げたもののような気がします。計算だけでは計り知れないものがあるのではないかと感じます。

  

それでは本日の質問です。

「オールオン4とは、どのような治療法ですか?」

  

 オールオン4とは、基本的に上顎、下顎どちらでも、一本も歯がない方に対して、それぞれ4本の人工歯根を埋めることで、すべての歯を作り、咬めるようにするものです。

 現在の主流としては、手術はフラップレスで行い、即時加重をしていく方向になっています。

つまり、患者さんにとっては、埋め込む本数が少ないため比較的経済的であり、フラップレス手術で行うために、手術の負担が軽減され、その日のうちにすぐ咬めるようになるというメリットがある治療法です。 

第38回 即時加重インプラントは、どんな場合にも可能ですか?

本日の質問です。

2回の手術もいらず、その日のうちに咬めるのならば、やはりそれをやってほしいと思うのですが、どんな場合にも可能なのですか?」                                                    

 

 即時加重インプラントは、条件の良い顎の骨の場合は、すぐに咬めるようにすることも可能で、条件さえそろえばお勧めできますが、残念ながら全ての患者さんの顎の骨の質が良いわけではありません。

 基本的に、充分な術前の診査、診断が大切で、その上で、即時加重インプラントが可能かどうかを判断します。

 しかし、術前の検査で、即時加重インプラントが可能であろうと判断された場合でも、実際に手術をしてみると、診断どおりにはいかずに、従来の方法にその場で変更する事もあります。

 また、施術後も、食事を注意していただくなど、経過を十分に追っていく必要があります。

 つまり、条件がそろい、患者さんの協力が頂ければ、ひとつの選択肢となりえますが、全ての患者さんにお勧めできる万全な治療法とは言えないのです。

第37回 「即時インプラントとは、どのようなものなのでしょうか?」

本日の質問です。

「即時インプラントとは、どのようなものなのでしょうか?」

 

 即時インプラント、あるいは即時加重(荷重)インプラントと呼ばれるものは、手術をした日にすぐに咬めるようになるインプラントの総称です。

従来は、一回目の手術から、上顎で6ヶ月、下顎で3ヶ月の治癒期間をおき、その後に2回目の手術を行います。そして、型どり等を行った上で人工の歯を作っていくため、一回目の手術から咬めるようになるまでに一定の期間を要していました。
この期間は、入れ歯や、仮歯を使用するため歯を失った本数や場所、そして状態によっては、不便を感じることもあるわけです。

そのような、不便さを可能な限りなくすために新しい試みとして普及し始めたものが、即時加重型インプラントというものです。

第36回 「フラップレス手術の利点はどのようなことでしょうか?」

さて、本日の質問です。

「フラップレス手術が万能ではないということは分かりましたが、その上でフラップレス手術の利点はどのようなことでしょうか?」

 

フラップレス手術の利点は、手術後の腫れがほとんどなく、痛みも少ないということです。また多くの場合は、即時加重という方法をとるため、すぐに咬めるようになるという利点もあります。

基本手技にのっとった従来の方法では、歯肉を顎の骨からはがすという方法がとられるため手術後、比較的腫れやすくなります。またフラップレス手術は、手術後の痛みも従来の方法より出にくいと言えます。

しかし、従来の方法でも、多くの場合は強い痛みが出ることはありません。また、鎮痛剤も十分に効くため、痛みについての有利さはそれほどないかもしれません。

前回までにお話した欠点(ナビゲーションシステムを用いる上の精度、歯肉を切って開かないために、インプラント体を埋め込む際に、最初にインプラント体が直接触れるのは、骨ではなく歯肉になってしまう事等)が、解決されれば、フラップレス手術は優れた治療法の一つと言えます。実際に現在も様々な機関で、研究、調査が進んでいる段階です。

第35回「フラップレス手術は、ナヴィゲーションシステムがあったとしても危険だということですか?」

 では本日の質問です。

「それでは、たとえナヴィゲーションシステムがあったとしても危険だということですか?」

 

すべてが危険なわけではありません。

一般的に通常の方法で行ったとしても安全だとされるような症例では、フラップレス手術も安全に行える可能性が高いと言えます。

逆にCT等の診断で難しいと判断された症例の場合、ナヴィゲーションシステム等に頼りたくなりますが、これは問題が起きる可能性も考えられます。ナヴィゲーションシステムを構築していく上で起こる誤差等があるためすべてが正確にできるわけではないからです。

やはり、このようなシステムは頼り切るのではなく、上手く利用しながら行うことが肝要ではないでしょうか?

最終的には、ナヴィゲーションシステムは発展途上のシステムであり、使い方を間違えなければ良いが、全ての状況において信頼に耐えるものとは言い難く、それを使う側の能力にかかわると言えるでしょう.

第34回 フラップレス手術は、ガイドするナビゲーションシステムがあるから安全だと聞いているのですが、本当ですか?

 9月に入り、夏の終わりが感じられるようになってきましたね。日本は四季を感じられるから良いと思っていますが、地球温暖化でだんだんと四季感も薄れてくるのでしょうか?

 

では、本日の質問です。

先生は、フラップレス手術のデメリットとしては、「手術部位を直接視覚的に確認できるわけではないので、インプラント体を埋め込む場所が不確実になってしまったり、方向を誤ったとしても、その場で確認することが不可能となってしまったりすることがあります。」と言われていますが、実際には、事前にCT等を撮影しそのデータに基づいて確実に診断し、安全に手術が行えるように、手術をガイドできるようなマウスピースやナビゲーションシステムがあるから安全だ、と聞いているのですが、本当ですか?

 

おっしゃる通り、現在、そのようなシステムは多数存在します。当院もそのようなシステムの一つの開発、導入のお手伝いをした経緯もあります。

結論から申し上げますと、このようなシステムのほとんどが、すべての状態で正確に機能しているわけではなく、ある程度の許容範囲が必要だということなのです。

極論ですが、現在ある多くのシステムは比較的安全な症例では、ほぼ問題なく機能するが、手術の難易度の高い症例では、このようなシステムに頼りすぎると間違いが起こることがあると言えます。実際に、いくつかの報告が世界中から上がっているのです。

これから、このようなシステムも熟成がすすみ、より確実で精度の高いものとなっていくと思いますが、まだ現時点では問題もあると言わざるを得ないのが現状でしょう。

 

第33回「インプラント治療法の一つの、フラップレス手術とは具体的にどんな手術なのでしょうか?」

前々回お話しさせていただいた、『IPPO(いっぽ)』という雑誌に掲載された記事が、紙面の都合もあり十分な内容が掲載されず、疑問も多くあると思いますので、そのことに関する質問にお答えしていこうと思っています。

 

では、今回の質問です。

「雑誌では、いろいろなインプラントの治療法が紹介されていて、それに対してコメンしていましたが、その一つのフラップレス手術とは具体的にどんな手術なのでしょうか?」

 

フラップレス手術とは、最近注目されているインプラント手術の一つです。

基本的には、メスで歯肉を切開せずに、特殊なドリルで歯肉に穴を開け、インプラントを埋め込むという方法をとるものです。

メリットとしては、切開をしないため痛みや腫れが少なく、手術も上手くいけば短時間で済みます。このようなメリットは大切なことで、患者さんにとってとても有意義なことです。

デメリットとしては、手術部位を直接視覚的に確認できるわけではないので、インプラント体を埋め込む場所が不確実になってしまったり、方向を誤ったとしても、その場で確認することが不可能となってしまったりすることがあります。

万が一にもドリルで顎の骨に穴をあけるときに、方向を間違ってしまって、それに気づかずにドリルを進めてしまうと、場所によってはとても危険なことがあります。日本を含め世界から、何例かの重篤な事故が起こってしまったという報告もあります。

  

そしてもうひとつ問題があります。

チタン製のインプラント体が骨と直接くっつくためには、チタンという素材の表面に形成される酸化膜というものが大切になると言われています。

その酸化膜が、他の何物にも触れず、最初に患者さんの骨に触れることが大切だと私たちは学んできたのです。

このことを踏まえると、フラップレス手術は、問題があるのです。

歯肉を切って開かないために、インプラント体を埋め込む際、最初にインプラント体が直接触れるのが、骨ではなく歯肉になってしまうのです。

インプラント体が入るために必要な直系の穴を歯肉にあけ、そこからインプラント体を埋め込むため、必然的にインプラント体は歯肉に触れながら顎の骨の中に埋め込まれていくのです。この矛盾は、具体的に解決されないままに結果として(短期間の追跡)はうまくいっているから問題ない、ということになっているのです。

私たちとしては、この問題がもう少し時間が経ち、十分な検証がされてから導入するべきではないかと考えております。

第32回「丈夫な歯をブリッジの土台にすれば、確実に長持ちするのでしょうか?」

昨日の雷雨といい、その後の涼しさ(寒さ)といい、変な天気ですね。

最近騒がれている地球温暖化問題、一方では大問題だと騒ぎ、他方はそんなに問題ない温暖化対策と言ってやっていることが問題だと論議しているようですが、一体どうなんでしょう。

こういう議論を聞いたりしていてつくづく思うのは、何が正しいかではなく誰が正しいかに終始してしまっているような気がします。自分たち側の意見の正当性を証明することに終始していては問題の解決は得られないのではないでしょうか?

私たちが今、目を向けなければならないのは、そこにある真実と、そして何をしなければいけないかだと思うのです(たとえそれが大変な選択だとしてもです。)

この大きくそして小さな地球に、自然の摂理を無視するようなかたちで人口が増え続け、便利さを求め続けた結果なのですから、自分たちに有利なことだけを考えるのではなく、地球全体のことを考えて、何かを努力してかなければいけなのではないでしょうか。

 

さて、本日の質問です。

今は抜くほどでもないが、将来には問題を起こす歯がある場合というのは、とても難しい問題ですね。

やはり、私たち患者側としては、なるべく歯は抜きたくはないですから。

そうすると、その予知性が低い歯を含めて、その代わり丈夫な歯もブリッジの土台にすれば、確実に長持ちするのでしょうか?

 

ブリッジや入れ歯の設計を考えるうえでは、ブリッジや入れ歯自体の寿命だけではなく、他のまわりの歯の寿命も充分検討する必要があります。

しかし、時として私たち歯科医師も、自分が入れたブリッジや入れ歯を長持ちさせたいが為に、必要以上に歯の数を多く削ったり、ブリッジの土台や入れ歯をかける為の装置をつけるために歯の神経を抜いてしまったりすることもあるかもしれません。そうすると、短期的にはある程度ブリッジや入れ歯の寿命を延ばすことが可能になりますが、結果として、長期的には失う歯の本数を増やしてしまうこともあるのかもしれません。

極端に聞こえるかもしれませんが、長期的展望にたった場合、今現在は、患者さんの自覚もなく、痛くもない歯でも、抜歯の対象にすることで、長期的に見ると結果として、失う歯の本数を減らすことができる場合もあるといえると思います。

また、言いかえれば丈夫な歯を土台に含めることで、そのブリッジ自体の寿命は延ばすことが可能となります。

ですから、万人に向けて最善の方法というのはありえず。各々の患者さんの状態や価値観に合わせた選択が大切です。

 

第31回 「予知性の低い歯(あまり長持ちしないであろうと判断された歯)を残してその歯を、ブリッジの土台にしてもよいのでしょうか?」

多くの皆さんが、お盆休みを取られているのではないでしょうか?

当院は、明日8月16日(土)がお休みとなります。ご不自由をおかけいたします。

もし何かお困りになられた場合は、申し訳ありませんが、来週の月曜日以降にご連絡ください。また、来週まで待てないような場合は、各地区に歯科医師会があり、そこで休日診療を受け持っているはずですので、問い合わせをしてみて下さい。
中央区休日応急歯科診療所は下の通りです。
住所:東京都中央区明石町12-1中央区保健所内
電話番号:03-3541-5420
診療時間:午前9時から午後5時(日曜日、祝日および年末年始)

 

明日発売のIPPO(いっぽ)という健康関連雑誌の150ページに、前回行われた健康歯考講座「最新インプラント治療の光と影」に関する記事が掲載されます。

1時間半の講座の内容を1ページに要約してあるため、お伝えさせていただいたすべてのことが網羅されているわけではありませんが、多少は参考になると思いますので、よろしければご覧になって下さい。

また、次回の健康歯考講座の開催が決定しております。公式ホームページにも詳細を記載しておりますが、きっと皆さまのお役にたてるものだと信じておりますので、ふるってのご参加お待ちしております。

10回健康歯考講座の開催が決定いたしました。
今回のテーマは「PMTC 〜Professional Mechanical Tooth Cleaning〜」についてです。
日程:平成20119()  9301130 [受付開始 915]
場所:東京国際フォーラム ガラス棟  会議室 G701号

参加費は無料です。公開講座ですので、どなたでもご参加頂けます。
参加ご希望の方は、事前にお申し込みください。
講座の詳細、お申し込みはこちらへ  第10回健康歯考講座 

 

前置きが長くなりました、本日の質問です。

なるべく歯を抜かないようにすると、先生の言われる予知性の低い歯(あまり長持ちしないであろうと判断された歯)を残すことになるわけですよね。そのような予知性の低い状態の歯を、ブリッジの土台にしてもよいのでしょうか?  

予知性の低い状態の歯をブリッジの土台とする場合には、注意が必要です。その歯だけではブリッジの土台にするには心もとないが為に、ブリッジの土台にする歯の本数を増やしたり、土台にするために健康で、まったく削られていない丈夫な歯を削って土台にするような治療を考えた時、はたしてそれは正しいといえるのでしょうか?

予知性の低い歯だけでブリッジを入れるよりは、その隣あるいは、周囲の健康で丈夫な歯まで削って、土台にふくめることで、ブリッジの寿命は長くなるかもしれませんが、それが本当に正しい選択といえるのでしょうか?

長期的にみた場合、ある時期までは入れたブリッジをもたせることが可能になるわけですが、その後が大変になることが予測されます。極端な表現ですが、短期的にどうしても入れ歯やインプラントといった治療法を受け入れたくない、といった事情があり、将来は入れ歯、インプラントでもかまわないという場合などはこのようは選択になる可能性もあります。

第30回「歯周病が進行している場合は、その歯を抜いてしまった方がよいのでしょうか?」

今日から、北京オリンピックですね。この日のために頑張ってきた選手だけでなく、サポートしてくれたスタッフやコーチ、監督、そして予選で戦ってきたライバルたちがあってこそ成り立つ4年に一度の祭典、何よりも無事で競技はフェアーに行われることを願います。

そして、がんばれニッポン。

 

では、本日の質問です。

「前回の答えからすると、歯周病がある程度進行している場合は、その歯を抜いてしまった方がよいのでしょうか?」

 

私たちは、基本的には歯を抜かずに、守ることが歯科医師の使命だと考えています。

ですから、可能な限り歯を抜かない選択を第一としたいと思っています。

しかし、前述のような状態になってしまった歯、このような状態の歯を私たちは、長期的な予後の認められない歯、あるいは予知性の低い歯という表現をします。簡単にいえば今すぐには抜くほどではないにしても、その歯を支える骨が減っているような場合、いずれはそんなに先ではなく問題が起こる可能性があるような歯のことを表します。このような状態になってしまった歯の場合の治療方針の決定が、一番難しくなります。一つ間違えると選択した治療法が、その歯の寿命を短くしてしまうこともあり得るのです。

健全な歯であったとしても、いや健全だとするならなおのこと、ブリッジの土台にするには、その歯を削らなくてはならず、将来的には問題を引き起こす可能性があるわけです。まして、例えば歯周病になってしまっている歯(特に、予知性の低い歯)をブリッジの土台にする場合は、充分に検討することと、歯科医師とその歯に将来起こるであろう問題について、充分に話し合った上で治療を選択される事が大切です。

つまり、ケースバイケースになってしまいますね。

 

第29回「歯周病でも、治療を受けていれば大丈夫ですか?」

昨日まで、お休みをいただき、伊豆の方に出かけていました。

峠で自転車に乗ったり、海で泳いだり、走ったりという日々を仲間と過ごし、肉体的には負荷のかかったお休みでしたが、とても充実したお休みで、また行きたいなと思っております。

 

それでは、今回の質問です。

「歯周病があったとしても、歯周病の治療をちゃんと受けておけば安心ですよね?」

 

基本的には、そうだといえますが、実は、たとえ歯周病の治療をちゃんと受けたとしても、ある程度進行してしまった歯周病の場合、歯周病で失った骨を元あった状態に戻すことはかなり難しく、基本的に現状を維持し、歯周病の進行を抑制することが、現段階では、歯周病の治療のゴールとなります。

その為、歯周病の治療を受け、状態が安定したとしても、例えば、今すぐには抜くほどではないにしても、ある程度歯周病が進行してしまい、その歯を支える骨が減っているような場合は、治療方針の決定が一番難しい状態といえます。

 

Palmqvist先生たちが1994年に発表された論文では、ブリッジの土台になる歯に影響を与える要素を調査したところ、ブリッジをいれる時に土台になる歯のまわりの骨が減っている場合は、減っていない場合に比べて、土台になる歯の生存に関するリスクが2.5倍高かったそうです。

残念なことですが、ある程度進行してしまった歯周病の場合は、たとえ歯周病の治療をしたとしても、全ての歯がブリッジの土台としてしっかりと機能する状態になるとはいえないのです。

 

歯を失ったところに何もしないですむのはとても魅力的ですが、短縮歯列という方法も万全ではないということですね?

先週末は4日間、インプラントの勉強に行ってきました。師と仰ぐ先生から直接お話を聞くことができて、とても勉強になりました。アポイントが取りづらい状況で、お休みを頂いてしまって申し訳ありませんが、歯科医師としても、人間としても心から尊敬できる先生のお話は、頭と心に響き、私にとってとても大切な時間で、今後も機会があれば参加していこうと思っています。

 

それでは、本日の質問です。

「歯を失ったところに何もしないですむのはとても魅力的ですが、短縮歯列という方法も万全ではないということですね?」

 

いつもお話ししていることなのですが、万全な方法というものはないと思った方が良いのかもしれませんね。そして、私見ですが、短縮歯列という考えは、残念ながら日本人の場合は、骨格的に顎のアーチが扁平なため、奥歯を失うと食べ物が噛みしめにくくなりやすく、不自由な感じを受けやすいようです。それでも、奥歯に入れ歯を入れていないことがあるのは、歯科医師としては残念なことですが、入れ歯の装着感が悪いことが原因なのではないでしょうか。

しかし、本来あったはずの歯が、なんらかの理由で失ったのにもかかわらず、それを補わないというのは、やはり問題があるのではないかと思います。

ただ、失った歯を補う方法をよく吟味しないと、その方法によってまた問題が起こる可能性があります。問題がおこることを避けるために何もしなかったとしても、またなんらかの問題がおこってしまう可能性があるということだと思います。

やはり、いずれにしても歯を失った場合の治療法には様々なものがあるけれど、一つとして利点だけの物はないといえるのではないでしょうか。

ですから、信頼のおける歯科医師と十分に話し合い、その治療法の利点欠点を理解した上で、治療法を決定する事が大切です。

 

奥歯がないのですが、何か問題は起きますか?

今日は、iPhoneの発売日ですね。何日も前から並んでいる方もいるみたいですね。混乱がないとよいのですが、どうなっているのでしょうか?

実は、私もマッキントッシュユーザーの一人でiPhoneに少し興味はあります。いったいどんなものなのでしょうね。

 

 

さて、今日の質問です。

「もし、短縮歯列が問題を起こすとしたらどんなことでしょうか?」 

 

実は短縮歯列が、顎関節症を引き起こす可能性があるという報告があります。現時点では、まだ長期的な経過を追ったデータはないという状態だと思います。

2004年に出された文献によると、「短縮歯列が、顎の関節に問題を引き起こすという明確な根拠はないものの、片側ないし、両側の奥歯がなくなることで顎の関節に、お口の開け閉めの際に音が出たり、痛みが出たりすることがあることは知っているべきである」という報告もあります。

なんともあいまいな表現ですね。

しかし、もしも顎関節症を引き起こす可能性があるとするならば、やはり用心する必要はありますね。

 

短縮歯列 とは

欧米では最近、無理に奥歯に入れ歯を入れたりインプラント治療を受けたりせずに、放置しておいても良いのではないか、という考えがあります。 糸切り歯の隣の歯(後ろ側の歯)、又はもう一本その後ろまで歯が存在していて、そこが咬み合っていれば、無理に奥歯に何らかの治療(入れ歯、ブリッジ、インプラント等)を入れなくても問題は起きないというコンセプトで日本でも注目されています。  

 

奥歯がないのですが入れ歯をいれたくありません。このままではダメでしょうか?

七夕.jpgインプラントの事故に関する報道の後、このブログのアクセス数が増えています。このような不幸なことをきっかけに増えるというのは考えものですが、少しでも皆さまの不安や疑問が解消され、何らかの形でお役にたてることを願っております。

 

さて、本日の質問です。

私は上下の奥歯が四本ないのですが、入れ歯はどうしても入れたくありません。実際に今入れ歯を使わなくても、多少不自由ですが、食事もできています。このままではダメでしょうか?

 

実は、欧米では最近「短縮歯列」といって、無理に奥歯に入れ歯を入れたりインプラント治療を受けたりせずに、放置しておいても良いのではないか、という考えがあります。

この短縮歯列というコンセプトは、日本でも注目されています。

これは、糸切り歯の隣の歯(後ろ側の歯)があり、できればもう一本その後ろまで歯が存在していて、それが咬み合わせをしっかり保っていれば、無理に奥歯に何らかの治療(入れ歯、ブリッジ、インプラント等)を入れなくても問題は起きない、という考え方です。おそらく、この質問をされている方も同じような状態にあるのではないでしょうか?

 

どのような治療でも、それを選択される場合、一番大切なことはご本人が納得されるということです。ですから、ご本人が今あまり不自由を感じていないのなら、そのままでも良い場合も十分考えられます。

しかし、その様な場合で、ご自身としては今不自由がなくても、今後何か問題が起こる可能性がないかは歯科医師とよく検討されることが大切です。

 

私たちが日常臨床で困ってしまうことの一つに、この質問の様に、今は痛くもなく不自由もない部位が、このまま放置することで将来問題が起こってしまう可能性がある場合、そのことをご理解いただかなくてはならないことがあります。

当たり前ですが、患者さんは、不自由を感じていないところを突然指摘されても、そう簡単に、そこに問題があるとか、いずれ問題が起こるということを理解したり、納得したりすることは難しいと思います。しかし、私たちはプロとして日々様々な患者さんを診させていただいている上で、今後起こりえる問題を予測することはある程度可能なわけです。

ですから、信頼できる歯科医師と今現在のことだけでなく、今後のことを十分考慮にいれ、検討された方が良いのではないでしょうか。

産経新聞に掲載されていた“サージカルガイド”について

先日の産経新聞に「歯科インプラント手術を安全に」という記事があり、日本でインプラント手術用医療器具サージカルガイドを高精度に量産する技術の開発に成功したということですが、これはどのようなものなのでしょうか?

 

歯科インプラント手術を安全に・・・  (産経新聞より全文記載)

科学技術振興機構 医療器具を量産化

科学技術振興機構は、大阪大学大学院歯学研究科の荘村泰治教授らの研究成果をもとに和田精密歯研(大阪市淀川区)に委託していた、コンピューター断層撮像(CT)画像から歯科インプラント手術用医療器具サージカルガイドを高精度に量産する技術の開発に成功した、と発表した。サージカルガイドは一般医療機器の届出番号を取得済みで、同社が2月7日に販売を開始した。 歯が欠損したり、両隣に歯がない場合の治療法として、人工歯根をあご骨に埋め込んで人工の歯を装着する歯科インプラント手術が普及している。しかし、歯科医の勘と経験によるため、医療事故や不適切な処置の事例も増えている。 新技術は、CTで撮影した患者のあご骨部の画像から3次元画像を構築。コンピューター上で患者の残存歯や骨の状態に合わせて人工歯根の最適な埋め込み位置をシュミレーションし、そこにドリルを導くサージカルガイドを設計できるもの。 通常は患者の口腔内に金属による修復物があればCT画像が乱れて正確なあご骨像が分からなくなるが、石膏歯型に装着するCT撮影用キットによって正確な3次元画像を得られる。また、蝕力覚感知デバイスを利用することで、埋め込みたい場所に応じた立体表面の硬さや弾力などを擬似的に感じながら、穿孔位置の探索ができる。 インプラント手術は歯肉を剥離して行うことが主流だったが、骨や神経の位置を高精度で確認して事前に検討しているため、患者負担の軽減につながるという。

 

この、記事に載っている和田精密歯研という会社は歯科医療界では名の通った会社です。しかし残念ながら、この会社の作ったサージカルガイドの詳細は分かりません。

実は当院ブログでも以前にご紹介させていただいたように、サージカルガイドやオペレーションガイドというものは決して新しいものではなく、世界のいくつかの国ですでに開発されているものなのです。理論上はインプラントの手術をより正確に行うためのものとされているものです。実際に私たちの医院でもその開発に関わりを持つことがありましたので、そのコンセプト、利点、欠点はある程度理解できています。

実際に、サージカルガイドは、その利点欠点を十分に理解し、適応できる症例を適切に選択し、使用方法を守ることで、治療計画の精度を高め、ある程度患者さんの負担軽減や、インプラント体の埋入位置の精度を高めるのに役立つものだといえます。

 

確かに、この記事に書かれているように「インプラント手術というものは歯科医の勘と経験による」ことはある意味では事実です。が、その後の「そのために医療事故や不適切な処置の事例も増えている」というのは少し納得いきません。産経新聞の記者さんごめんなさい。

この表現は「インプラント手術というものは歯科医の勘と経験に頼らざる部分もあるため、経験不足の歯科医や技術、知識の伴わない歯科医が手術を安易に行うと危険な場合があり、最近、さまざまな要因が伴い、医療事故や不適切な処置の事例も増えている」とするべきではないでしょうか?

これも私たちのブログでは、よく触れていることなのですが、最近、インプラントを取り巻く環境は、決して良い方向に向かっているとは言えないのです。商業主義が蔓延し、インプラントメーカーのほとんどは、インプラント関連商品を「売れ売れ」と言わんばかりの勢いです。

以前なら、多少なりとも教育、研修を受けた歯科医師が、インプラントに携われるようになるというシステムがあり(それだけで十分とはいえませんが)、それが一つの試金石になっていたのかもしれません。実際にその研修には、ある程度高額な費用と研修日数が必要でした。

そういったものすら一切なくなり、歯科医師ならばだれでもインプラント手術ができるようになっている現状は、もろ手をあげて賞賛できるとは思えません。

過去のシステムも確かに、時間と費用がかけられる一部の歯科医師だけに限定されるということが、正しいハードルであったか?と問われれば、決してイエスと答えられません。

これは、簡単に答えが出せるような問題ではないとは思いますが、今後歯科界の代表?あるいは、インプラントにかかわる見識のあるそして立ち位置のしっかりした人間たちの間で議論が必要だと思います。

また、あるインプラント関係者から、話を聞いたのですが、昨年、新聞報道でも取り上げられたインプラント治療に伴う事故の発表のあと、それまで何度かインプラント手術を行っていた若手の歯科医師が、あわてて解剖学の本を読みだしたといことがあったそうです。

もし本当なら愕然とします。このようなことなど、私たちには、考えられないことなのです。インプラントを勉強するには、解剖学を学ぶことは必須条件です。それをしないで、インプラント治療に携わってしまうという事実が実際にあるのかもしれません。そのような状態の歯科医師が、インプラント治療をすれば、それは事故も起こすでしょうし、問題も起きます。

こんなお話をするのは、単に現状を嘆きたいためでも、暴露話に興じたいわけでもありません。ましてや、新たにインプラント治療に取り組んでいる歯科医師たちの努力を否定するつもりもありません。いまでは、インプラント治療の大家となっていられるような歯科医師でも、はじめは皆初心者だったわけですから、これからもたくさんのすぐれた歯科医師が育っていくことはとても重要です。

 

しかし、残念なのは、インプラントを取り巻く環境でこのようなことが起こってしまっていること、それは、おそらく一部であろうということ、そして、それは単に歯科医師だけの問題ではないということ、他には、一生懸命勉強し、努力している歯科医師もいるということ、それが一つにくくられて表現されてしまう可能性があるということです。

この辺のことになると話が止まらなくなりますので、今日はこの辺にさせていただき本題に戻ります。

 

先ほどもお話した通り、サージカルガイドは理論上、優れている点が確かにあるのですが、それとて、使う医療者が正確に使用しないと問題を引き起こすこともあり、実際に、CT撮影から、サージカルガイド作成、そしてそれを手術に利用する段階で、ヒューマンエラーが起こり、極端な表現になるのですが、サージカルガイドを使用し、それを鵜呑みにしたまま、頼り切って使用したために、本来はそれを防ぐために使用したにもかかわらず、不適切な場所へ埋入や神経の麻痺等が起こってしまった事例の報告もあるのです。

ですから、現在でもサージカルガイドも発展途上の技術であること、そしてそれが、問題解決のすべてではないということです。

以前にもお話ししましたが、新しいものが出てくると、それがあたかも夢のような技術が開発されたように表現されてしまうことがあります。しかし、技術もそして人も磨かれて初めて本物となっていくのではないでしょうか?

 

この、和田精密歯研の開発したものは後発となるため、以前のものの欠点をなくすような形で開発されているでしょうから、楽しみなものの一つではあります。

しかし、いま、私がサージカルガイドについて思うことは、使い方を間違わなければ有用であるが、それに依存したり、頼り切ることはとても危険で、やはり使用する側の経験がものをいうのではないでしょうか?

たとえれば、車のオートマティックトランスミッションのようなものと言えるかもしれません。初心者にとってオートマでの走行は広い道、走りやすい道ではとても便利で、運転に慣れるためには、大変有用ですが、いきなりサーキットでレースをすることは、危険を伴います。サージカルガイドも簡単な症例から少しずつ修練していけば、それは大変有用になるでしょうし、ベテランにとっても難しい症例やフラップレス手術の大きな助けとなると思います。

当院でも、サージカルガイドを用いた手術も可能ですが、特殊な手術法(フラップレス手術)を行わない限り、通常の症例では必要ないと考えています。   

                                                      

皆様からのご質問を募集しております。                          

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宜しくお願い致します。 

インプラント治療の成功率は90%以上というのは本当ですか?

 こんなことがありました。親知らずのまわりの歯茎が少し腫れて、お痛みが出てしまっている方が急患でお見えになりました。幸いに親知らずを抜かずに消毒をするだけで何とかなりそうなので、今後暫くは様子を見ていただくことにしました。そして「もし万が一にもまた痛み出したら御連絡を頂ければ対応させていただきます」とお話をしたら、患者さんが、「こちらはいつも混んでいて忙しそうだから、突然連絡しては御迷惑ではないですか?」と言われたのです。
確かに、おかげさまで当院は現在も多少混み合っており、予約がとりにくい事もあり御迷惑をおかけしております。しかし、お痛み等で困っていらっしゃる患者さんは例外で、可能な限り迅速に対応させていただくつもりです。どうぞ、ご遠慮なく御連絡を下さい。もちろん、現実問題として予約をされている患者さんがいらっしゃいますので、お待たせしてしまうこともありますが、なるべく早く対応いたしますので、多少なりともお時間に余裕を持っておこし下さい。

 さて本日から新たに、「Q&Aでわかるインプラント治療」をはじめます。第1回の今日は、みなさんからよくうける質問「インプラント治療の成功率は、90%以上というのは本当ですか?」についてです。  s-花2.jpg

このようなご質問に対し、多くの歯科医院が回答として、「インプラント治療の成功率は10年後で、95%以上とされています。」と答える事が多いのではないかと思います。

これは、ひとつの事実なのですが、十分な回答とはいえないと考えます。

結論からいうと、ある一定の条件をクリアした上では、インプラント治療の成功率は10年後で、95%以上になるといえます。

この回答(インプラント治療の成功率は10年後で、95%以上)にはちゃんとした裏づけがあります。その根拠として引用されるているのが、Adell 先生達(1990)の文献で、無歯顎(歯の1本も無い人)へのインプラント応用を語るとき、歴史的な臨床追跡研究とされているものです。

これは同じAdell先生達による1981年の追跡研究の続編といえるものであり、私たち臨床家への示唆に富む論文です。その結論として、無歯顎に関するインプラント治療は15年間に及ぶ追跡研究により、上下顎を通じて成功率が高く、長期的に予知性の高い治療法であることが唱えられていて、それがよく引用されています。

しかし、これはブローネマルクシステムと呼ばれるインプラントを、定められた条件のもとで、施術された結果を調査されたものなのです。今となっては、ブローネマルクシステムは40年以上の歴史を持つインプラントとなっていますが、全ての歯科医院がこのシステムのインプラントを行っているわけではないのです。また、ブローネマルクシステム自体も実際にはこの調査の時に用いたものとまったく同じインプラントシステムではなくなってしまっているのです。しかし、ブローネマルクシステム以外のシステムでも長期的な臨床結果の発表がされ、高い成功率が示されています。

実際に、色々なシステムで、インプラントのマテリアル、デザイン、表面の性状について、多く語られ、論議されてきました。全てとは言えないのですが、いくつかのシステムが信頼できるものといえるようになっているのは事実です。結果として世界で多く使用されているインプラントシステムの中には、信頼のおける製品が存在しているといえると思います。

最近では、世界各国の著名な研究者、臨床家からの発表でも、「インプラントのマテリアル、デザイン、表面の性状については多く語られ、良いシステムが存在している。しかし、歯科医師のトレーニング、技術についてはあまり語られなかったのではないか?」という意見を耳にすることが多くなっています。

私たちがインプラントの教育を受けた頃は、確かに歯科医師のトレーニング、技術についてはあまり語られてはいませんでした。それは、その当時、決して「誰が行っても上手くいきますよ」といわれていたわけでなく、その前提には、インプラント治療に携わる以上、それ相応の知識を得、自ら進んで技術の研鑽をするのは当然であったと思うのです。

ところが21世紀を迎え、発表されるインプラントに関する情報の殆どは高い成功率を示していたために、最近は残念な事にインプラント開発メーカー自体が、その販売に重きを置いているのか、風潮として、「インプラントはそのシステム自体はすでに確立されたものであり、誰がやっても上手くいく」とでもいっているかのように思えるのです。

以前ならば(懐古趣味ではありません)決してそれだけでは十分なトレーニングとはいえないまでも、ある一定の研修を受け、それを修了した者がインプラントを始めるのが当たり前であったのですが、今はそれすらなくなってしまっているのです。

その裏側には、「インプラントシステムはいくつかの優れたものが存在しているが、近年それを使う歯科医師の技術に、バラツキが多く存在してしまっているようである。」ということが示唆されているのではないでしょうか?

つまり、

「インプラント治療の成功率は、90%以上というのは本当ですか?」というご質問に対して、我々医療従事者は

「定められた条件を守り、知識、技術のある術者が行った場合、ブローネマルクシステムをはじめとして、いくつかのインプラントシステムが、高い成功率を示す。」と答える必要があるといえます。                                            s-ムシバラス.jpg

 お分かりいただけたでしょうか?今後、みなさんからのご質問に対してこのような形で、インプラントチームよりお答えしていきたいと思います。  

 なお本日より、「Q&Aでわかる歯科インプラント治療」へのご質問受付フォームを作成いたしました。ご質問がある方は、こちらへ。