馬見塚デンタルクリニック
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 昨年のブログ「歯科衛生士のインプラント歳時記」ではインプラント治療のおおまかな流れについてお話しさせていただきました。皆さまが抱くインプラントに対する疑問に対して、少しでもお答えできるようにと重ねてきたブログですが、私たちからの一方的な内容になりすぎているような気がしています・・・そこで、もう少し分かりやすく疑問にお答えできたらと考えています。

患者様からよく受ける質問「痛くないの?」「なぜ費用が高いの?」「手術が怖いんだけど」など具体的なご質問に対して、ひとつずつお答えしていきたいと思います。よくあるFAQのように、Q&Aをかいして、インプラントの良さのみを理解してもらうというものではなく、実際に皆さまがお持ちになっている小さな疑問やインプラントのデメリット等にも言及していきたいと思います。

その為に、出来ましたら皆さまがお持ちになられてる疑問をお寄せいただければと思っております。全ての疑問に可能な限り対応させていただきたいと思っておりますが、対面という形ではなくブログという形をとらせていただいているため、適切な回答が出来ない場合もあります。

ご質問は、こちらへお願い致します。

名づけて「Q&Aでわかる歯科インプラント治療」です。

 次回からをどうぞお楽しみに!

 年明けすぐに、とても嬉しい言葉を患者様よりいただきました。当院でインプラント治療を受けられた患者様ですが、全ての治療を終え、メインテナンスにはいりPMTCで来院されました。インプラント治療を終えて初めてのお正月を迎えられ、お食事はどうされていたかと案じておりましたのでお聞きしましたところ、「何も気にせず、何でも食べています。」とおっしゃっていました。年齢からしても早い時期に歯を失い入れ歯でご苦労されていた方が、何でも食べられるようになり、ご本人の満足された表情を見た時、歯科に携わる者として何より嬉しい瞬間です。

 今年も、当院に来て下さる方に満足して頂ける治療を行うとともに、このブログでは、氾濫する情報の中で、歯科の専門家として、皆さまにとって役に立つ情報をお伝えできるよう努めてまいります。

 本年もどうぞ宜しくお願い致します。 

 皆様、本年は私たちのブログをご覧頂きありがとうございました。

 私たちのブログが、多少なりとも皆様のお役に立てたかどうか案じております。来年も継続して、皆様に正しい情報を発信していきたいと思っておりますので、どうぞ宜しくお願い致します。

 おかげ様で、私たちも本日で年内の診療を無事終えることができました。皆様もどうぞよいお年をお迎え下さい。

 今日はインプラントの型どりから被せ物ができるまでの流れをお話させて頂きます。
手術が終わり、翌日は傷口の確認を行います。1週間から10日後に抜糸をし、この時に簡単な型を採らせて頂きます。
 その後、精密な型どりをし、噛み合わせをとり、仮り歯を作成し、本歯を作成します。
症例にもよりますが、精密な型どりから被せ物が入るまでは、早い方で約2週間、遅くても約1か月で最終的な被せ物が入ります。その間、2回から4回の来院が必要となります。
 イプラントの被せ物は、精度と噛み合わせがとても重要です。精度の高い被せ物を作成するために、型どりの材料をよりよいものを使用したり、また、噛み合わせの調整をはじめ、全てにおいて慎重に、丁寧に処置を進めなくてはなりません。そのため、症例にもよりますが、1回の処置時間が2時間を越えることもあります。また、処置の途中で被せ物のくるいが発見された場合、やり直しをさせて頂くこともあります。お時間がかかってしまい申し訳ありませんが慎重に進めさせてください。
 被せ物が入ったあとは、今まで歯がなかったところに歯ができるので、インプラントの部分もご自身の歯と同じように清掃が必要になります。インプラントの構造上、ご自身の歯以上にお手入れが複雑になることもありますが、被せ物が入ったら、その被せ物にあったお手入れの仕方について私たち歯科衛生士よりお話させて頂いております。

1次手術が終わったら、2次手術を受けて頂きます。インプラント体と顎の骨が結合するのを待って頂く期間は基本的に上顎で6ヶ月、下顎で3〜4ヶ月です。その間は定期的にPMTCを受けて頂く他は、インプラント治療では何もすることはありませんので、他の歯の治療などを行ったりもします。

なぜ上顎と下顎で治癒期間に違いがあるかというと、上顎の方が下顎に比べ骨密度が低いため、インプラント体と骨との結合に時間がかかるからなのです。

  2次手術の時期が近づいたら、1ヶ月程前にレントゲン写真を撮影し、インプラント体に問題が起きていないかを確認します。1次手術と同様、1週間前にはPMTC(クリーニング)を受けて頂き、お口の中の環境を手術のできる状態にします。 

では、2次手術では一体何を行うのでしょうか。1次手術では顎の骨にインプラント体を埋入しました。2次手術では、簡単にご説明すると、歯肉を切開しインプラント体の上につけたキャップの交換を行います。1次手術でつけるキャップは薄く、縫合時に歯肉で覆いますが、2次手術の場合は大きめのキャップに付け替えるため、縫合のあと歯肉から見える状態になります。

当院では、1次手術に比べ2次手術は患者さんの負担が少ないため、静脈内鎮静法(点滴)は基本的に行っていません。しかし、どうしても恐怖感が強かったり、不安がある場合、静脈内鎮静法をご希望があれば、行っています。有料にはなりますが、静脈内鎮静法を併用し手術を行うことが可能です。やはり、あの手術室の独特な環境は嫌ですからね。。。 

2次手術後は、1次手術後と同じように、翌日に消毒を行い、10日程後に抜糸と1回目の型どりを行います。次回より、いよいよインプラントの補綴物(被せ物)を作成するための型どりに移っていきます。

 前回は、インプラント体の埋入のお話しをしました。今回は、縫合についてお話しさせて頂きます。

 縫合とは、切開した歯肉を元通りに戻すことが目的で、手術の傷跡(瘢痕)を可能な限り残さないため、歯肉を切開する前の状態に正確に戻すことが基本です。

 インプラント手術の際は、埋入したインプラントが骨とくっつくまでの間、歯肉の中でしっかりと守る目的があります。そのため、縫合はインプラントを守るためにとても重要なのです。

 縫合をすると手術は終わりますが、非常に細かい作業で、術者の技術に大きく関わっています。そのため、インプラント体の埋入と同じくらい時間がかかる時もあります。

 縫合時に使う縫合針の形状は組織に対する侵襲が少ないものを選択します。インプラント手術の際の糸は、第一に感染を起こさないよう、汚れがつきにくいもの、後で緩みを起こしにくいものを準備し、切開の仕方によって最善のものを選択します。 

 手術後の出血を心配される方がいますが、確実に縫合するため、手術後に帰宅されてから「血が止まらずに困った」という方はいらっしゃらないのでご安心ください。  

 以前にお話した通り、患者様は静脈内鎮静法という麻酔をしているため、手術後、麻酔がきちんと覚めるまでお休み頂きます。麻酔の覚醒には個人差があり、手術後すぐに覚める方もいれば、1時間近くお休みになる方もいらっしゃいます。

 その後、レントゲン撮影をし、埋入したインプラント体の状態を確認します。手術当日は、これですべて終わりです。

 手術の翌日は来院していただき、手術をしたところの傷の治りを確認します。感染予防のため、この日から抜糸をするまで、消毒薬を使ったうがいを行なって頂きます。

 手術後、10日から2週間後に抜糸を行います。糸をとる前に、糸の表面の消毒のため消毒薬でうがいをして頂き、抜糸をします。 

 以上が、1回目の手術の流れです。

 前回はドリリングについてお話しましたが、いかがでしたでしょうか。今回はインプラント手術において次の段階であるインプラント体の埋入についてお話をさせていただきます。
 まず、“埋入”とは埋め込むことをいいます。インプラントを埋入するというのは、インプラント体を顎の骨の中に埋め込むということです。ドリリングで穴を開けたところにインプラント体を埋入します。
 埋入する際、インプラント体は直接その穴の中に入っていかなければなりません。穴の中に入る前に、唇や舌や歯肉などに触れてしまってはいけません。なぜなら、インプラント手術とは、皆さんのお体の中にインプラント体を入れるのですから、移植手術のひとつといえるからです。移植するインプラント体に細菌などの余計なものが付着している状態では、体が異物とみなし、うまく骨とくっつかなくなってしまいます。そのため、埋入するときには他のどこにも触れることなくドリリングで開けた穴の中に入らなければならないのです。
 言葉で言うと簡単なことのように思いますが、手術中、院長をはじめスタッフみんなが一番緊張し、一番慎重になるところです。

 明日は祭日のため休診日となっております。そのため、金曜日のブログ「歯科衛生士のインプラント歳時記」はお休みとさせていただきます。

 来週は手術のお話の続きで、インプラントの埋入についてお話しをさせていただく予定です。

 今週は急に寒くなり、小学校ではインフルエンザが流行っていると聞きました。例年に比べ早い時期なので驚きました!インフルエンザも風邪も予防が大事ですね。体調にはくれぐれもお気をつけ下さい。

 みなさん素適な休日をお過ごし下さい!

 前回はインプラント手術の始まりである歯肉の切開についてお話しをさせていただきました。今日はその続きをお話したいと思います。歯肉の切開の後、インプラントを埋入するために骨に穴を作ります。このことをドリリングといいますが、ドリリングの際に最も気をつけなくてはならないことは加熱による骨のやけどです。以前のブログでも書いたように、骨がドリルで削れるときにでる摩擦熱で骨のやけどが、インプラントと骨がくっつかない原因のひとつになります。その為、加熱をおこさないように骨に少しずつ深く入れ、慎重に慎重に形作っていくことと、加熱をおこさないために充分な注水を行うことが大切です。

そして今回は、少しずつ深さを作るために、どんなドリルを使ってどのように穴を作っているのか、レギュラータイプのインプラント埋入の場合のドリルの種類についてお話します。

ガイドドリル.jpg

まず始めに、先の丸いドリルで埋入位置を決め、

骨にマーキングします。

2ミリ ツイストドリル.jpg

その後、直径2ミリのドリルで埋入予定の

インプラントの長さまで、削ります。

パイロットドリル.jpg

次に、2ミリから3ミリに穴を拡大するための仲介のドリルを使います。

このドリルは先の細いところが2ミリで、根元が3ミリになっています。

1ミリ太いドリルを使う前のガイドをするドリルです。

3ミリ ツイストドリル.jpg

そして、直径3ミリのドリルで2ミリのドリルで削った深さまで穴を作ります。

カウンターボア.jpg

最後は、このドリルでインプラントにあった形態を作ります。 これでインプラントを埋入する準備が整いました。このように文章にすると、簡単のように感じてしまいますが、インプラントの埋入位置、骨の火傷、骨の状態など、色々と考慮しつつ行っているので、とても緊張する瞬間なのです。

次回は、インプラント埋入についてです。

 先週は、インプラント手術の際の麻酔法についてお話をさせていただきました。今日は、実際の手術についてお話しをしたいと思います。

 当院では、「2回法」といわれる方法でインプラント手術を行っています。2回法とは、手術を2回行うという意味ですが、1回目の手術では顎の骨の中に直接、インプラント体を埋入します。みなさんのお体の中にインプラント体が直接入るという、インプラント治療においてとても重要な部分がこの手術です。

 術式を簡単にご説明すると、歯肉を切開し、ドリルで骨に穴をあけ、インプラント体を埋入し、歯肉を縫合するという流れで行われます。今日は、手術の始まりである歯肉の切開についてお話をします。

 歯肉の切開は、その手術の良し悪しを左右するとても重要な手術のスタートです。切開の方法、丁寧さによって歯肉の治り方は明らかに違います。手術をした痕跡すら残さない歯肉の治り方は、歯肉の切開の仕方に大きく左右されます。インプラント治療だけでなく、歯肉の中に埋まっている歯を抜く時や、重度な歯周病に対する外科処置の際にも歯肉の切開を行います。治療の目的によって切開の方法は異なりますが、インプラント手術の際は、頬側の歯肉、上顎の裏側の歯肉、歯の咬む面側の歯肉などに切開をいれる方法があります。どのような切開にするかは、インプラントを埋入する場所と、顎の骨の形態、歯肉の状態、被せ物が完成した時の歯肉の審美性などを考慮して切開の位置を決めます。

 また、切開の際にはメスを使いますが、切開法に合わせてメスの種類を選択します。メスにも様々な形があり、手術部位の状態、用途、目的によって使い分けることで 、最善の治癒が期待できるのです。

 先月、スウェーデンに研修に行ってきました。ハルムスタッドという町の州立病院で、実際の手術を見学してきました。スウェーデン人は歯肉が厚くて繊維質なようで、日本人に比べると頑丈そうに見えました。もし見学させていただいたように、日本人の歯肉を扱ったなら、きっと歯肉がひきちぎられてしまうと思います。人種間の違いもあり、研修を受けたからといって、すべての人を同じように手術をするのはとても危険なことなのです。個々の状態に合った、ベストな方法で手術を行うことがとても重要なのです。

 前回から、麻酔や切開と痛みや怖さをイメージするお話が続きますが、みなさんには見えない部分なだけに、手術がどのように行われているのかを知っていただけたらと思っています。次回も、手術についてお話しをしたいと思います。

インプラント52.mini.jpg

当医院では、インプラント手術に際して2種類の麻酔法を行っています。

1つは、局所麻酔という麻酔法です。これは、手術を行う部分に直接注射をして痛みを感じなくさせる麻酔です。虫歯の治療や歯を抜く際に行う麻酔と同じです。

もう一つは、静脈内鎮静法といって、静脈より点滴を行ってその中にお薬を流していく麻酔です。この麻酔は、患者様の意識を保ちながら、治療に対する不安感や緊張感を和らげ、リラックスして手術を受けて頂くためのものです。リラックスした状態で手術を受けて頂くことで、不安や緊張などによる血圧の急激な変化やショックなどを予防することができます。この麻酔法は、意識を失うことはないので全身麻酔に比べ安全で、手術中、患者様はぐっすりと寝てしまわれることが多く、手術を行ったことを覚えていない方、所々覚えている方など個人差はありますが、みなさんリラックスして手術を受けて頂いております。 

先日、当医院でインプラント手術を受けた患者様から言われたのですが、手術後半になって徐々に静脈内鎮静法が覚めてきた時、痛くなってしまうのではないかと心配になってしまったそうです。しかし、先ほどお話したように、静脈内鎮静法は痛みを取り去るものではないので手術後半に少しずつ覚めても、局所麻酔を行っているためお痛みがでるわけではありません。また、静脈内鎮静法は、ライセンスをもった歯科麻酔医が担当し、術中はこの麻酔医が患者様の血圧、心電図、脈などのお体の状態を常に管理しながら麻酔を行っています。手術が終わる時間に合わせて静脈内鎮静法が覚めてくるように調節しておりますので、どうぞご安心下さい。

このように、インプラント手術では2種類の麻酔法を併用して手術を行っています。それぞれ役割は異なりますが、どちらも患者様に苦痛なく手術を受けて頂くための麻酔です。皆さん安心して手術を受けてくださいね。

 先週、院長とインプラント班は「Infection Control Training Course in Sweden」という感染管理の研修ツアーに参加するため、北欧のスウェーデンに行ってきました。

 日本からスウェーデンには、デンマークのコペンハーゲン経由で入国します。今の季節は日本と同じ秋なのですが、北極圏に近い国なので最低気温が5℃、日中でも10℃以下という日本では真冬の寒さでした。国土面積は日本と同じくらいですが、人口は東京の人口とほぼ同じだそうです。また、国土の半分ほどが森林に覆われていて湖が多い国と聞いていましたが、飛行機の中から緑の多さを眺めることができました。

 この国でブローネマルク教授がインプラントを生み出し、インプラント治療が世界的なものとなっていったのです。その地に足を踏み入れられるというだけで、行く前からとてもワクワクしていました。

 今回のツアーでは、スウェーデンの南部にあるハルムスタッドの州立病院、ハルムスタッドの北に位置するイェテボリのブローネマルククリニックとイェテボリ市立歯科医院で研修を行ってきました。このコースを修了すると、修了証書が与えられるのですが、私たちは記念すべき第一回の証書を授与されました。

 研修の内容については次の機会にお話させていただきたいと思います。

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インプラント班は講習会のため、スウェーデンにいっております。スタッフが4人ぬけると医院は結構寂しいものです。。。帰国後のお土産話がとても楽しみです。

講習会が行われているスウェーデンの今の季節の気温は、最高気温8℃、最低気温が4℃だそうです。北海道と同じくらいの気温、風邪を引いて帰ってこないかと心配です。東京も寒い日が続いてます。みなさん風邪には十分気をつけてくださいね!!

インプラント49.jpg

今まで10回に渡り、手術前の流れをお話してきました。今回は今までの話を簡単にまとめさせて頂きます。

まず本題に入る前に、以前テレビで名古屋にある行列のできるラーメン屋さんの特集をやっていたのを見ました。そのラーメン屋さんのこだわりは、熟成庫で3日間ねかした自家製の麺、12時間じっくりと煮込んだスープ、長年かけてできあがった秘伝のたれ、1週間たれに漬け込んだジューシーなチャーシュー。この4つがこだわりと店長さんはおっしゃっていました。お客さんがおいしく食べるために、これだけの下準備があってこそ、おいしいラーメンが完成し、また行列ができるほどの人気がでてくるのでしょう。

さて本題に入ります!!インプラント治療も準備があってこそ、きちんとした結果がでます。

インプラント治療の準備は、患者さんの現状を把握する為、できる限りのデータを集めます。問診をとったり(身体の状態)、歯型取りやデジカメでお口の中を撮影(口腔内の状態)したり、パノラマ・デンタル・CTなどのレントゲン撮影(骨の状態)を行い、患者さんのデータを集めます。これらの資料があって初めて、インプラントの埋入位置や被せ物の完成予想が立てられるのです。

そして、事前に手術に携わるメンバー全員でミーティングを行います。そこでは、患者さんの情報を全員が把握し手術に備える為に、患者さんの身体や精神状態や、口腔内の情報を共有しています。

また、手術の前日に顎の模型でインプラント埋入手術のシュミレーションを行い、手術当日に備えます。最後に忘れてはならないのは、感染予防です。当院のブログで何度もでてきているクラスBの滅菌器で手術に使用する器具を滅菌します。

また手術室の隅から隅までの消毒を行い感染予防を行っています。 インプラント治療を安全に行うためには、予め起こりうることを予測し、それに備えることです。そのためには、これらの準備が必要不可欠だと考えています。

次回からは、手術当日の流れを数回に分けて話させて頂く予定です。

また来週は院長とインプラント班は海外研修に参加してきます。今回はデンマークとスウェーデンでの感染管理についての研修に参加してきます。現地病院で実際に行われている感染管理を見られるとあって、とても楽しみにしています。

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 今日は、インプラント手術を行うにあたって、解剖学の面から留意する点についてお話しをしたいと思います。さる9月30日の健康歯考講座で「インプラント治療の安全性」をテーマにお話しをさせて頂きましたが、インプラント治療を安全に行う上で、解剖は大変重要なことです。すこし難しい内容になりますが、ご参考になればと思います。

 インプラント治療に限らず、虫歯や歯周病の治療の際にも、歯の形態や根の形態など口腔解剖を理解していなければ、治療を行うことはできません。インプラント手術の際には、それに加えて顎の骨の形態、神経や血管の走行など留意しなければならないことが多くあります。 

 例えば、下顎には太い神経が走行している管があり、犬歯より奥側の奥歯がないところにインプラントを埋入する際には、神経を傷つけないよう十分に注意をしなければなりません。神経が傷ついてしまうと、口唇に麻痺をおこします。上顎には上顎洞といわれる空洞があり、その空洞にインプラント体が貫通しないよう注意をしなければなりません。(以前から、貫通しても問題はないといわれていますが、基本的にはできるだけ浸襲はない方がいいと考えています。) 

 このような解剖学的な面からインプラント治療を考えた時に、手術前の診査がとても重要になります。術前のレントゲンやCT、画像診断などによって、あらゆる面から診査をします。インプラントをどの場所に、どの方向に埋入することが最善なのかを解剖学的に考え、決定します。ただし、実際の骨の状態によっては、事前の予定が変更になることがあります。いくら十分な診査をしても、実際の身体の状態は若干違う場合があるからです。その点についても予め予測をし、実際の手術では、もちろん事前の計画は考慮しますが、その場で直接判断し、骨に最も適している位置に、最も適した長さのインプラントを埋入します。 

 また、手術の際に血管を損傷する危険性については、歯肉の切開の位置、切開の方法を考慮し丁寧に歯肉を剥ぐなど、丁寧な手術を行うことでリスクを減らすことが可能です。   

 解剖学とは統計的なものですから、個々によって様々であること、レントゲンにも誤差があることを考慮し、単なる予測ではなく、解剖学的な根拠に基づいた予測をすることが重要です。 

 このように手術を執刀する歯科医師が解剖を十分に理解し、インプラント手術を行うのは当然のことですが、アシスタントに入る歯科衛生士も解剖を理解し、術者1人だけでなく複数の目で手術を行うことで、インプラント治療をよりいっそう安全に行うことができるのだと考えています。  

インプラント47.jpg
こんにちは!
明後日、9月30日(日)に第7回健康歯考講座を国際フォーラムで開催します。
今回はインプラントの安全性についてお話しさせていただきます。
ご興味のある方はぜひご参加下さい。
今日は『インプラント手術っていつ行えるの?』の2回目です。
手術をするには、‘お口の中全体’と‘直接インプラント体が入る顎の骨の部分’の両方のコンディションを整える必要があります。前回は‘お口の中全体のコンディションを整える’ということについてお話しをさせて頂きました。
今回は‘直接インプラント体が入る顎の骨の部分’のコンディションを整えることについてお話しをさせていただきたいと思います。
インプラントをされる方は、当たり前ですが歯のないところがあるということです。この歯がないという状況には大きく分けて2つあります。
その状況と状態によって手術の時期を決めていきます。
1つはもうすでに歯がなくて、入れ歯やブリッジが入っていたり、そのままの状態になっていたりする人です。
もう1つは、歯に何らかの問題や病気があり、これから歯を抜いて、そこをどうにかしなくてはいけない方です。
インプラントを埋め込む骨の状態については、歯を失ってから時間が経っている場合は骨の量が充分にあればすぐにでも手術出来ます。
しかし、歯をこれから抜かなくてはいけない場合は基本的にそこが治るのを待つ必要があります。
ではどのくらい待つ必要があるのでしょうか?
まず抜いた事によって、顎の骨に穴が開いた状態となりますが、この抜いた穴が大きく、骨がたくさん減っている場合はその骨が治るのを充分に待つ必要があります。
ブローネマルクシステムでは抜歯後9ないし12ヵ月経過して、骨組織が完治したところにインプラント体を埋める手術をすることが基本ですが、その期間は年々短くなっています。
多くの場合4〜6ヵ月、あるいはそれ以上の期間を要します。抜いた穴が小さく骨が減らなかった場合は、歯茎が治るのを待てば手術が出来るため、6週間前後待つ事になります。
いづれにしてもある程度の期間は待たなくてはいけないわけです。
つまりその間、仮歯や仮義歯を入れたり、歯がない状態が続いたりすることになるのです。
当院の推奨するブローネマルクシステムでは2回法という方法をとるため、最初の手術から歯が完成するまででも約5〜8ヵ月はかかります。それに加え歯を抜いて、その治りを待つとすると時間がよりかかってしまう事になり、それが1つの欠点となります。
実は、現在はその不便さをなくす為に、抜歯後即時埋入というコンセプトがあります。それは歯を抜いてその場でインプラント体を手術で埋め、場合によってはその日のうちに噛めるようにするというものです。
これは、理論上はすばらしいのですが、全ての症例で出来るわけではありません。
また骨の状態によっては補助的な手術が必要な場合があります。抜いた後の顎の骨の穴と埋入するインプラント体のサイズが合わないとインプラント体が安定しないため、骨を補填する材料を入れる手術をするのです。私たちはこれらの物の安全性が確立されるのを慎重に見極めていきたいと思っています。
もちろん上手くいっている症例報告はある程度でていますが、確実性という点でもう少し検証が必要だと私たちは考えています。
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 〜暑さ寒さも彼岸まで〜 今は1年のうちでもしのぎやすい季節のはずですが、今日、当院にいらっしゃった患者さん達は「今日は暑いですねぇ〜。」とおっしゃっていました。私たちスタッフは日中、室内にいるのであまり感じませんでしたが、、、。
皆さん、もし診療中に診療室内が暑かったり、逆に冷房が効き過ぎて寒かったりと、何かございましたら遠慮なくスタッフまで声をかけてくださいねっ!
毎週金曜日のブログはインプラントチームの歯科衛生士からお届けしています。
今日からのテーマは『インプラント手術はいったいいつ行えるの?』です。
私たちがもし今、あるべき歯を何らかの原因で失っている状態だとしたらどう思うでしょう。大抵は一刻も早く噛めるようにしたい、歯を入れたいと思うのではないでしょうか?
インプラント治療によって噛めるようにするためには、まず、歯のない顎の骨の部分に、手術でインプラント体(歯でいう歯根にあたるものと考えて下さい。)を埋入するところから始めます。
手術をするには、インプラント体を埋める場所のコンディションが整っている必要があります。
その場所とは、‘お口の中全体’と‘直接インプラント体が入る顎の骨の部分’とを意味します。この両方のコンディションを整える必要があります。
何故歯を失ったのかを理解し原因をなくす事が、お口の中全体のコンディションを整えるという事です。
インプラント体を埋入しました、上部構造(歯でいう歯冠の部分)が入りました、一時噛めるようになりました、終了、、、、、ではなく、インプラントや(残っていれば)その周りの歯を永く維持させる事が大切です。そのために歯周病や虫歯の治療をちゃんとすませておき、またこれらの病気が再発しない環境を作り、予防法を確立するべきなのです。
この予防法を確立した時が「インプラント手術をいつ行うべきか?」
の1つの答えと言えるでしょう。
次回は‘直接インプラント体が入る顎の骨の部分’のコンディションについてのお話しをします。
インプラント45..jpg
今日は、前回の利点・欠点に関連し、「インプラントと他の治療法との違い」についてお話させて頂きます。
歯を失った場合の治療法には、入れ歯、ブリッジ、インプラントの3つの治療法があります。これらは、歯を失った場所や、本数などによっても治療が出来ない場合があります。
それでは、この3つの治療法についてそれぞれ特徴を挙げていきたいと思います。
入れ歯 ・取り外し式である
     ・ブリッジでは対応できないような、歯がたくさんなくなった場合にも対応できる
     ・保険の中でも治療を行う事ができる(保険外の入れ歯もあります)
     ・異物感があり、固い物が噛みにくい場合がある
     ・部分入れ歯の場合は、歯にバネをかけなければならない
     ・バネのかかっている歯への負担が大きい
     ・発音がうまく出来ない場合がある
     ・顎の骨がやせる場合がある
ブリッジ・固定式である
     ・ブリッジを支えるため、歯を失った所の両隣の歯を削らなければならない
     ・支えになる歯への負担が大きい
     ・ブリッジの橋の部分の清掃が困難である
     ・基本的には保険の中でも治療を行う事ができる(歯のない所の状態によっては保険で治療
      が出来ない場合があります。また、保険外で治療を行う事もできます。)
インプラント・固定式であり、天然歯と同じように噛むことができる
       ・歯を失った所の両隣の歯への負担がない
       ・歯を失った部分の骨の状態によっては、インプラントが困難な場合がある
       ・構造上、清掃が困難になる場合がある
       ・外科手術が必要である
       ・保険外の治療である
       ・治療期間が長い
このように、どの治療法にも利点や欠点があります。インプラントは他の治療法とは異なり、他の歯への負担がなく、ご自身の歯と同じように噛むことができますが、外科手術が必要であり、また、長期に渡る治療になり、保険で診療ができないなどの欠点もあります。
歯を失った場合の治療法は、インプラントだけではありませんので、どのような治療法があるのか、また、その治療法の特徴を担当医とよく話し合って、ご自分にとって一番よい治療法を選択して下さい。

今日は、インプラント治療の利点と欠点についてお話をさせていただきます。利点と欠点のお話しをする前に、患者さんは何故インプラント治療を望まれるのでしょうか?

・絶対に入れ歯をいれたくない
・入れ歯を使っていたが、自分には合わない
・入れ歯よりもよく噛める
・今まであった歯と同じように噛める
・見た目がいい
・入れ歯が入っていることで会話や笑顔に自信がない
・歯に接着するブリッジにすることで残っている歯を削りたくない
・入れ歯を使用することで残っている歯に負担をかけたくない

 このようなことからインプラント治療を希望される方が多いと思います。

 私たち歯科医療従事者がインプラント治療の利点を考えた時、まず第一に、残っている歯を守れるということを挙げます。私たちは歯を1本も失わないために日々の診療を行っています。ですが、残念ながらどうしても歯を残せないケースが少なくありません。その時にはその他の残っている歯を、いかに守っていけるのかを考えます。そう考えた時、ブリッジや入れ歯は歯にかかる負担があまりにも大きいために、インプラント治療を選択する場合が多くあるのです。健康創造型の歯科医療を行っている私たちが、8年前にインプラント治療を取り入れたのも、歯を守るための手段だったからです。現在もこの気持ちは少しも変わっていません。

これに対しインプラント治療の欠点は以下の点です。

・外科の手術が必要なこと
・現在の日本では保険適用外のため費用がかかること
・治療期間が長期にわたること

 この欠点を解決するべく、世界中でさまざまなことが行われています。手術の負担を軽減するためのフラップレス、すぐに噛めるインプラント、安いインプラントどれも患者さんだけでなく私たちにとっても多くのメリットがある方法です。ですが、これらが本当に安全で確実な結果が得られる方法なのだということが、充分に実証できているとはいえません。実はまだ証明されていないことが多くあるのに、利点だけがクローズアップされてしまっているように思います。インプラント治療の利点ばかりを強調したり、欠点やリスクのお話しを十分にされないために、インプラントがあたかも夢のようないい治療に思われるている方も多いのではないでしょうか。残念ながら、私たちのような医療従事者の中にも、利点だけを鵜呑みにしてしまっている人達も存在します。
 みなさんが、ご自身のお口の健康を考えた時に、インプラント治療に対して正しい知識をもち、ご自身にとって最善の治療を選択できるようにして頂くために、私たちは努力し続けたいと思います。

インプラント治療に関しては、他にも記事がございますので、こちらをご覧になってみてください。

http://www.118.md/qa.asp

http://118.akibare.ne.jp/category/1209056.html

http://118.akibare.ne.jp/category/1173100.html

http://118.akibare.ne.jp/category/1119484.html

インプラント.mini.jpg
『インプラント治療の流れ』と題して7月から始めましたが、なかなか手術にたどりつかないと思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか・・・。先々週からさかのぼる4回のブログで、インプラント治療における禁忌症、適応症、既往歴についてお話をさせていただきました。これらのことを患者さんにお伺いすることを、医療用語では『術前のスクリーニング』を行うといいます。インプラント治療において、この術前のスクリーニングが治療を安全に、そして確実に行う上でとても重要なのです。
 スクリーニングとは、「ふるいにかけて条件に合うものを選び出すこと」「選別」を意味します。インプラント治療における術前のスクリーニングとは、インプラント治療を希望される方の全身的状態、精神的状態、口腔内の状態について診査を行い、インプラント手術(麻酔や外科手術)をおこなうことによって得られる利点と欠点を考慮した上で、インプラント治療が可能かどうか、また適切かどうかの判断をします。必要なスクリーニングを確実に行うことが、インプラント手術を成功させるための第一歩であり、最も重要なことなのです。
 次回は、インプラント治療の利点と欠点についてお話をさせていただきます。
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14:30〜18:00
火・金
15:00〜18:30

休診日:木、日

プロフィール

馬見塚デンタルクリニック院長
馬見塚賢一郎
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