昨日のTV番組「仲居正広の怪しい本の集まる図書館」定番の都市伝説を徹底調査という番組で、
「虫歯で死ぬ?ということがある。」と放送されていた件について質問がありました。
まず、はじめに「虫歯で死ぬ?ということがある」かということですが、
厳密に言えばありますが、それはごくごくまれなことであり、一般的ではないと言えます。
この番組でも、
虫歯の虫歯菌、あるいは口腔内の細菌が上顎にある上顎洞や、下顎の骨髄に感染を起こしした場合
死亡につながることがありえると報道されていたようです。
もし重篤な感染が起こってしまえば、それはその元が虫歯であろうが切り傷であろうが、ヤケドであろうが死にいたる可能性をひめています。
よって、この番組は間違っていませんが、
実際に、そのようなことはそう簡単にはおきません。
人間の体には、免疫力というものがあり、外部から細菌等が体内に侵入した場合、それらを取り除く仕組みを持っているんです。
通常は、その免疫が適切に働いて、死にいたる以前というよりも病気になる以前にちゃんと体を守っていてくれています。
その免疫力、あるいは免疫応答が何らかの理由(病気、重度な疲労、薬剤や放射線等)によって非常に弱くなってしまった場合にこのようなことが起こる可能性が高くなります。
ですから、健康な方が簡単に虫歯で死ぬなどということはほとんど起こりえないと思っていただいてよいと言えます。
いつも、思うことなのですが、多くのTV報道というものが、ある一面だけを捉え、やもするとそれを誇張してしまうことで、その番組を面白くする傾向があるように感じます。
もちろん間違ってはいない、だけれどもあまりにまれなことをほじくくりだしているようなこともあるようですね。
このような番組を制作するにあたり取材をうける段階では、我々はそれがどのような形で放送されるかを完全には知りえません。
その為、聞かれればそれについて起こりえることをお話することが大切なんですすが、時として自分たちが思っていることとは、まったく別な捉え方で番組が作られてしまうことがあるのです。
この番組がどのような意図があるのかは、わかりませんが、もう少しでいいから補足の説明も放送していただけると良いのではないでしょうか?
まして、このような時期で、生きることに精一杯になっている多くの人たちがいるのです。
娯楽はあっても良いと思いますが、死ということに関連するにはあまりにもまれなことを取り上げるのは、いかがなものなのでしょう。
昨日の番組の結論です。
虫歯で死ぬということは、ありえます。
しかし、それは「よっぽどの場合」ですから、ご安心ください。
しかし、虫歯は放置していよい病気ではありませんからね。
虫歯に気づいたら早めに歯科医院を受診しましょう。
そして、この番組で、取り上げられた、「歯周病で歯を失うと痴呆になる?」については次回にさせて下さい。