平成21年8月16日 読売新聞 朝刊に「入れ歯安定剤で神経障害、米で報告 成分の亜鉛 過剰摂取」という記事が、ありました。 この記事に対する当院のコメントを何回かに分けて赤字で掲載していきます。
入れ歯使用者の増加とともに、入れ歯のぐらつきを抑える安定剤の使用も広がっているが、長期の過剰な使用による神経障害と考えられる症例が、米国で報告されている。日本では報告されていないが、心配はないのだろうか。
入れ歯は本来ちゃんとあっていれば、安定剤は必要ないはずのものなのです。
つまり、安定剤の使用が広がっていること自体がいかにちゃんとした入れ歯が提供されていないかということの表れなのかもしれません。
そうはいっても、入れ歯の支えになるあごの骨、いわゆる土手と言われている部分がやせてしまったり、かみ合わせに問題がありどうしても入れ歯が安定しない症例というものもあります。
昨年秋、米テキサス大学が発表した論文によると、手足の力の衰えや知覚異常、尿失禁などの神経障害がある40〜60歳代の男女4人の血液を調べたところ、亜鉛濃度が高く、銅濃度が低かった。
4人は入れ歯使用者で亜鉛が入った安定剤のチューブを週2本以上使い、1日に330ミリ・グラム以上も亜鉛を摂取していた。通常は1本で3から10週間もつ。
もしこの濃度が本当の数値であるのならば、これでは、入れ歯安定剤に問題があったのではなく、使用法に問題があったという方が正しいのではないでしょうか?