今週から子供たちは夏休みに入りました。泊まりがけで、海や山にお出かけになることも多くなると思います。旅行の時も、ご自身の歯ブラシを忘れずに持っていくようにして下さい。やはり使い慣れた歯ブラシが1番です!
それでは、本日の質問です。
「インプラント治療を受ける場合には、手術前に歯周病の治療を受けることが大切だとよく言われますが、歯周病がある場合、そのことは、インプラント治療ではなくブリッジの治療を受ける場合でも影響がありますか?」
はい。
歯周病がある場合は、基本的にその治療を受けたうえでブリッジを入れることが大切です。
歯周病があり、ブリッジを入れる必要があるということは、おそらく歯周病が原因で歯を失ってしまっているのです。原因である歯周病を治療せずにブリッジを入れてしまうのは、ブリッジの土台になる歯をまた歯周病で失う危険があります。つまり、歯周病を治さずにブリッジを入れるのはブリッジの寿命が短くなる可能性が高いということです。
極端な表現ですが、ブリッジは歯を削り、型を取れば、ほぼどのような状態の歯でもいれることは可能です。しかし、その土台となる歯が歯周病になっていたら、その進行に伴い、土台の歯ごとブリッジが揺れ始め、痛みがでたり、抜けてしまったりすることが十分考えられます。
歯を失った原因にアプローチをし、その後に、失った部分の治療をするということが大原則です。
朝、出勤前にプールに行ってきました。7:00という時間にもかかわらず多くの人たちが泳いでいました。私は最近始めたばかりですが、結構多くの皆さんが運動をされているのを知り、正直驚いています。
では、本日の質問です。
「接着性のブリッジの欠点は理解できました。たとえ、外れやすくても、なるべく歯を削らずに治療がしたいと思っています。できることならばインプラントや入れ歯はいやなので、接着性ブリッジを選択したいのですが、前歯の部分なのでなるべく外れないように、またなるべく虫歯になる可能性を下げる方法はないでしょうか?」
接着性ブリッジの中で、多少歯を削って作った場合では、11%に脱離がおこっているのに対して、削っていないものでは47%が脱離したというデータがあります。そして、ブリッジの長さが長い物は52%に脱離が起きており、それに比べ短いものでは、25%に脱離が起きているそうです。
以上のことから考えると、接着性ブリッジの本来の姿ではないかもしれませんが、多少歯を削るようにして(もちろん可能な限り少なく)、ブリッジを設計するのがよいかもしれません。
ここで、接着性ブリッジについてまとめてみましょう。
接着性ブリッジは、一般的なブリッジに比べて、早期に脱離が起きやすく、特にブリッジで補う範囲が大きくなればなるほど問題を引き起こしやすいため、そのような場合は他の治療法を優先すべきであり、できるならば一本だけ歯を失った場合のみに、治療の選択肢としてとりあげることが大切になるのでしょう。また、場合によっては、外れにくくするために多少なりとも歯を削ることが必要となることもあるようです。この辺は 、担当医とよく話し合うことが大切です。
梅雨の晴れ間の今日、皆さんはいかがお過ごしですが?
実は私、今年になってから泳いだり、自転車に乗ったり、走ったり、しています。そのためか、天気が妙に気になります。
今日は、早朝60分ほど走ってみました。とても気持ちが良かったですよ。
さて、本日の質問に行きましょう。
接着性ブリッジの利点は「歯を削らない」ということだというのは十分理解できます。ということは、もし問題が起きたとしても、土台となる歯に問題は起こりにくいのでしょうか?
実は、通常のブリッジのところでもお答えしているのですが、被せ物等の治療の中で一番トラブルの多いものが通常のブリッジで、二番目にトラブルが多いのが接着性ブリッジだという研究があります。
この文献は、1976年から2000年に出された48の文献をまとめたもので、接着性ブリッジのトラブルの内容についても記載があります。それによりますと、調査対象の7,024個のブリッジの中で、1,823個に問題が生じ、これは全体の26%にあたるそうです。そのトラブルの中で、最も多かったのが接着の脱離で1,481個でおこり、それは全体の21%になるそうです。
またその研究の中に、5つの文献の結果をまとめ、343個のブリッジの内、62個に歯とブリッジの境界に変色があったという報告があります。この変色とは、新たな虫歯の発生を意味しています。
ブリッジが外れる時、皆さんとしては突然はずれたと感じられることが多いと思いますが、実はほとんどの場合が、少しずつ接着がはがれ取れていくことが多く、そのため、少しでもはがれたところから細菌が入り込み虫歯を作り始めてしまうのです。
ですから、接着性ブリッジの利点である「歯をまったく削らない」ことで、土台になる歯のエナメル質と呼ばれる硬い表面が残っているため、二次的な虫歯になりにくいものの、逆に歯をまったく削らないために外れやすいという欠点も併せ持っているわけですので、結果として虫歯にならないわけではありません。
今日は、久しぶりによい天気ですね。1週間も早く梅雨入りして、今年の梅雨はどうなるのでしょうか?人間都合に考えるのではなく、地球にとって、日本にとって適切な梅雨になってくれるといいですね。
では、今日の質問です。
「前回までのことを考えると歯を失ってしまった場合に、そのまま放置することでも問題が起こってしまうようです。そこで、最近注目されている、削らずに接着するだけですむ、ブリッジがあると聞いたのですがそれはどうでしょうか?」
接着剤の進歩に伴い、土台となる歯を削らずに(場合によっては、少しだけ歯を削ることがあります)、強い接着剤を用いることで、ブリッジを歯に直接つけるという方法があります。この治療法は接着性ブリッジと呼ばれています。
この方法は、実は以前から研究され、臨床でも応用されている方法で、決して新しい物ではありません。
またその臨床成績は、あまりよいものとはいえないのが現状です。症例を選んだ上で、技術のある技工士が作成にあたることが重要です。そして、その接着には特別な接着剤を使用することが重要となります。以上のような条件をクリアすれば、ある程度結果は期待できますが、削らないですむからといって、皆さんに安易にお勧めできる治療法ではありません。
今日もはっきりしないお天気ですね。そして、この寒さは一体どういうことなのでしょうか。四季があることが日本の良さで、その四季折々に楽しみがあるわけです。そして、日本の食べ物のおいしさもこの四季が造り上げたとも言えるのではないでしょうか?こんなことが続くと、やはり地球が心配です。地球のためにできることを私たちが少しでもしていかないと本当に手遅れになってしまいそうですね。
さて、今日の質問です。
「歯を失った場合、本当に治療をしなくてはいけないのでしょうか?
もし、歯を失っても何もしないでいたらどうなってしまうのでしょうか?」
歯を失った場合の治療法はいくつかありますが、何度も申し上げているように欠点のない治療法は基本的にはありません。それなら、治療しない方が良いのではないかと考えてしまうのも無理はありません。
では、もし、歯を失っても何もしないでいたらどうなってしまうのでしょう。
基本的に、歯を失った部分の後ろ側に歯があればその歯は手前側(歯を失ったところ)に倒れてきます。また、咬み合う相手側の歯が伸びてきてしまうことも頻繁に起こります。
歯が倒れてしまうと噛み合わせに問題が起きたり、磨きにくくなったりします。
歯を失った部分の咬み合う相手側の歯が伸びてきてしまうと、時として伸びた歯が歯茎と噛むようになってしまい、歯茎が潰瘍を起こしたり、ごく稀にですがその部分が癌化することもあると言われています。
2001年に発表されたある調査では、317名の大臼歯を1本失った患者さんを10年間調べたところ、失った歯の前後の歯の生存率は、何も治療をしなかった場合は5年で89%、10年で81%でした。ブリッジで治療された場合は5年後で97%、10年後で92%、部分入れ歯の場合は5年後で77%、10年後で56%となっており、歯を失った部分はブリッジで治療した方が失った歯に隣り合わせた歯の寿命が長いという報告もあります。
ブリッジに関するQ&Aのまとめです。
再三お伝えしていることですが、治療法を選択する場合に、利点だけで欠点のない治療法というのは基本的に存在しません。
選択の際に陥る傾向として、利点にばかり気を取られてしまい、欠点のことをあまり深く考えないで選択してしまうことがあります。私は、皆さんに治療法の説明をさせて頂く時に、「利点を十分理解していただくことも大切ですが、それぞれが持ち合わせている欠点の中でご自身が受け入れられることはどれなのかということもよく考えてみてください」とお話しています。
今回Q&Aでブリッジに関すことを取り上げ、特にその問題点について触れたのも、ブリッジは問題点があるからやめましょうという提案をさせて頂きたいのではなく、欠点をも含め十分理解していただいた上で選択していただきたいためです。
何しろ、理由は何であれ、歯を失った場合、場合によっては我々歯科医療従事者ですら、安易にブリッジを第一選択としてしまいがちになる傾向があります。
実際に、今回のブログを掲載するにあたり、いろいろ調べてみるとブリッジという治療法について様々な検証がされていることが分かりました。
ブリッジという治療法を選択する際の一つの参考として、
2003年にGoodacre先生たちが、1956年から1998年までに発表された19の文献を調べたところ、平均8年の間で、補綴物{歯科で行う被せ物の治療のことで今回の調査ではブリッジ、クラウン(日本でいうところの被せる銀歯)、差し歯(セラミックの被せ物)}の中でブリッジのトラブルが最も多かったという事実が解ったそうです。
以上のようなことをふまえた上で、
「先生はどのような場合にブリッジを選択されますか?」
基本的なには、失った歯の数が一本ないし二本で、土台となる歯がもう既に削られてしまっている場合、何らかの理由(患者さんご自身の病気等で歯科医院に通院することができない場合など)で、ほかの治療が受けられない場合は、第一選択となります。
ブリッジという治療は、それ自体が入ってしまうとほとんど違和感のない治療なため、患者さんにとっては比較的治療後が快適にすごせる治療です。
次回は、ブリッジと入れ歯との比較に関する質問についてお答えしていきたいと思います。
前回もお知らせいたしましたが、健康歯考講座インプラント編の開催が決定いたしました。今回も、皆さんが日頃抱いていらっしゃる疑問等にお答えできるよう頑張るつもりです。御興味のある方はふるってご参加下さい。
では、今日は前回の続きになります。前回「ブリッジに様々な問題がおこるこという可能性があることは、わかりました。しかし、このような問題が全てのブリッジに起こるわけではないと思うのです。では、しつこいようですがブリッジの治療でこの様な問題を起こしやすい特別な理由があったら教えて下さい。」という質問がありました。
前回の回答のように失って補わなければならない歯の本数が多いとブリッジに問題が起こってしまう可能性が高くなること以外に、土台となる歯の特に奥側の歯が、神経のない歯であった場合、その歯が折れたり、割れたり、外れたりしやすい傾向があるという報告があります。また別の報告では土台になる歯が神経のない歯の場合は、神経のある歯に比べて4倍も問題を起こす危険性が高いという報告があります。下顎の方が上顎より2.7倍問題を起こす危険性が高く、一番後ろの歯をブリッジの土台にした場合は、手前の歯を土台にするよりも3.2倍の危険性があるといわれています。また、ブリッジの土台になる歯が歯周病でまわりの骨が減ってしまっている場合は、たとえ歯周病がコントロールされていたとしても、骨が減っていない状態よりも2.5倍の危険性があったそうです。
以上のことを考えると、ブリッジという方法は、私達の日常臨床でも比較的頻繁に用いられがちな治療法なのですが、失って補わなくてはならない歯の本数や、土台になる歯の状態、場所によっては、いくら装着後の違和感が少ないといっても、安易に選択するのではなく他の治療法も充分に考慮に入れる必要があるといえるのではないでしょうか。
ご質問はこちらへお願い致します。
本日も雨模様で東京の桜はほとんどが葉桜になってしまいましたね。
地球環境の危機が騒がれているなか、私たちはただ咲いた桜を楽しむだけではなく、この桜がず〜っと綺麗に咲く事ができる環境を守る、いや取り戻すように努力する必要があるのではないでしょうか?
私は、毎日の通勤(といっても徒歩ですが)で隅田川を渡ってくるのですが、この川の水は本来もっと綺麗なはずで、このように汚れてしまっているのは私たちのせいなんだなと思う事があります。いまこの水を川の底まで見えるくらい澄むようにするのに、私たちはどれほど努力をしなくてはいけないのでしょうか?私は、毎日の通勤(といっても徒歩ですが)で隅田川を渡ってくるのですが、この川の水は本来もっと綺麗なはずで、このように汚れてしまっているのは私たちのせいなんだなと思う事があります。いまこの水を川の底まで見えるくらい澄むようにするのに、私たちはどれほど努力をしなくてはいけないのでしょうか?
その努力の為に要する苦労や失う便利さが嫌で、近視眼的なものの見方で生きてしまっているし、川が綺麗になったからといって、すぐに直接的なメリットを感じる事が出来ず、わかっているけど見て見ぬふりをしてしまっているような気がします。
では、今日の質問です。
「ブリッジに様々な問題がおこるこという可能性があることは、わかりました。しかし、このような問題が全てのブリッジに起こるわけではないと思うのです。では、しつこいようですがブリッジの治療でこの様な問題を起しやすい特別な理由があったら教えて下さい。」
質問にお答えする前に、たしか、何かの本で読んだのですが、「なぜを5回くりかえすことが大切」だそうです。
なぜを繰り返していくうちに本質がみえてくるのではないでしょうか?
最近は、情報があふれんばかりにあるのですが、あまりにも容易に手に入るが故に、そのまま鵜呑みにしてしまいがちです。
注意しなくてはいけません。
また、それらしい人、機関などが発すると、勝手に信頼できると思ってしまうことも往々にしてありますが、それも注意が必要ですね。
そして、このブログの情報も、一つの参考としていただければ、幸いです。
さて、本題に入りましょう。
この質問にあるとおり、ブリッジ全てに問題が起こってしまうわけではありません。逆を言えば、問題を起こしやすいブリッジと言うものが、実際に存在し、その事に対するリサーチも行なわれているのです。
スウェーデンの一般開業医で行われたブリッジの治療を6〜7年後に調査を行ったところ、ブリッジが壊れたり、土台になる歯が折れる頻度は、失って補う必要のある歯の本数と関係があったといわれています。
つまり、補わなければならない歯(失ってしまった歯)の数が多ければ多いほど、それを補うために装着されたブリッジには結果として問題を起こしやすいといえます。
多くの歯がなくなってしまった場合は、ブリッジ以外の治療法を選択した法がよいのかもしれません。
みなさまからのご質問をお待ちしております。インプラントについて知りたいだけでなく、歯科に関することならどんなことでもかまいませんので、お気軽にご質問下さい。ご質問はこちらへお願い致します。
桜の花が何とかまだもっていますね。きっと今夜は金曜日という事もあり、名残を惜しみながらのお花見があちこちで開かれるのでしょうね。
さて、本日の質問です。「ブリッジが生存できなくなった(外れるあるいは外さなければならなくなった)理由として、ブリッジが前歯の場合には歯の色になっているところ(白い部分)が、変色したり、かけてしまったりするのは何故ですか?」
前歯に限ったわけではないのですが、歯に被せ物をする場合に、金属(金歯や銀歯)で被せるのではなく、審美性を考えて白い色(実際には、歯の色に近い色)で被せ物をする事があります。この材料には、大きく分けるとセラミック系のものとレジン系(樹脂)のもがあります。この二種類にはそれぞれの特徴があります。セラミック系の特徴として、色艶はとても綺麗で、経年的な色の変化もないのですが、強い力や曲げるような力に対して、脆く、欠けてしまうことがあります。レジン系の特徴として、曲げるような力に対してはセラミック系のものより多少強いのですが、多少色艶の再現性が劣り、経年的な色の変化も起こりやすいため、数年で表面の色が黄ばんできてしまう事が起こります。このような、歯をブリッジの土台として使うわけですから、例えば、過大な力がかかってしまったりすれば欠けてしまう事も起こり得ますし、レジン系の材料を使った場合には、変色してしまう事が起こってしまいます。
皆様からのご質問をお待ちしております。ご質問はこちらへお願い致します。
桜がほぼ満開になり、今夜あたりは、あちらこちらでお花見をされるのでしょうね。くれぐれも飲みすぎには注意して下さいね。
さて、今日の質問です。
「ブリッジが生存できなくなった(外れるあるいは外さなければならなくなった)理由として、土台の歯が歯周病になってししまうとはどういうことですか?」
歯周病とは、歯自体の病気ではなく歯を支えている顎の骨や歯肉に炎症がおこり骨が溶けてなくなっていく病気です。原因は口腔内の清掃不良から歯垢が歯に沈着し、その中に生息する細菌によって引き起こされるといわれています。また、別の病気ではありますが、歯に必要以上の力が加わると、歯に揺り動かすような力が加わりその結果、歯の周りの骨を失ってしまう病気もあります。
ブリッジの土台になると、単独ではえていた時よりもお掃除がしにくくなることが多く、歯垢が付着しやすい状態となってしまいます。そのために、時間の経過とともに歯周病が進行してしまい、土台の歯が揺れだしてしまい、場合によってはその歯を抜かなくてはならない事態となることがあります。
また、失ってしまった歯にかかる力の負担を、土台になる歯が補うわけですから、この力によって歯周病の進行を助長してしまうこともあります。
みなさまからのご質問をお待ちしております。ご質問はこちらへお願い致します。
フィギュアスケートの世界選手権がスウェーデンのイエテボリで行われ、女子はショートプログラム(SP)2位の浅田真央さんが逆転優勝しましたね。 前年の女王・安藤さんは、約1分でフリーの演技を終えてしまい無念の棄権でしたね。
安藤さんはこの日午前のウォーミングアップ中、左足ふくらはぎを痛めていたそうです。
右肩の手術も検討中らしく、シーズンの最後までケガに泣かされることになってしまいましたね。安藤さんは2010年バンクーバー五輪を目指しているそうで、まだまだ時間はあるのですから、一度しっかり怪我を治し頑張ってほしいですね。
この大会が開かれたスウェーデンのイエテボリは、近代インプラントの発症の地で、私も行ったこともあり、イエテボリ大学の歯学部の先生達からは、いろんなことを教えていただいています。
それにしてもスポーツ選手にとって怪我は大敵ですね。たとえ走るという運動ひとつとっても、膝にかかる負担は体重の数倍と言われているのですから、日々のトレーニングとコンディショニング、食事や睡眠等のコントロールが大切になるのでしょうね。以前にも掲載させていただいていると思いますが、歯にかかる力の負担というのはかなりのもので、歯を食いしばった時に奥歯一本にかかる力は、御自身の体重以上だといわれているのです。そんな中、毎日頑張っている歯を皆さんも大切にして下さいね。
さて、本日の質問です。
ブリッジが生存できなくなった(外れるあるいは外さなければならなくなった)理由として、土台の歯が壊れたり、折れたりするというのはどのようになってしまうのですか?
歯は、骨と同様に生体を構成する組織の中では、硬組織に分類されます。硬いということは強いと思われますが、時として破折という事態をまねくことがあります。たとえば、骨に無理な力が加われば、ひびが入ったり、折れたりすることがあります。同様に歯にも、ひびが入ったり、折れるということが起こるのです。特に神経のない歯は、そのようなトラブルが起こりやすいのです。
単独で、他の歯とつながっていないような場合でも、突然歯が割れるということがあります。そのほとんどの原因が噛む力や、歯ぎしりによって、食いしばった時にかかる力が原因だといわれています。
ブリッジは、再三申し上げているように、歯のないところを補う治療ですから、土台となる歯にかかる力の負担は、通常の状態の歯よりも大きくなるわけで、特に土台になった歯の神経がないような場合は、歯にひびが入ってしまったり、割れてしまうということが起こりやすいのです。
そして残念なことに、骨とは違い、歯は1度ひびが入ってしまったり割れてしまったりすると自然に治癒することはあり得ないのです。多くの場合が、ひびが入ったり、割れた歯は抜歯をしなくてはならないのです。
つまり、ブリッジの土台になっている歯が、神経を抜いているような場合、その歯自体が割れたりして、ブリッジを外さなくてはならなくなる事が起こる可能性が高いのです。
ご質問はこちらへお願い致します。
今日は、久しぶりの雨ですね。花粉で苦しんでいる方にとっては恵みの雨なのでしょうか?
私の家にいる犬にとっては散歩に行けなくなるので、残念な雨なんでしょうね。
さて、今日の質問です。
ブリッジが生存できなくなった(外れるあるいは外さなければならなくなった)理由として、突然外れるというのはどうしてですか?
天然の歯は、一本一本が独立していて少しですが自由に動くことができるのです。つまりそれぞれの歯に通常のかみ合う力が加わった時に上手く順応することができるのです。ところがブリッジは土台になる歯同士を固定しています。そうすると、たとえは稚拙ですが、二人三脚をさせられているような状態になるわけです。ある部分は固定されているが、動く部分もある状態になるわけです。二人三脚の時に無理な力が一番にかかるのは二人の脚を結んでいるヒモです。歯にとって頭はブリッジで固定されているが、根っこは動ける状態です。つまり咬む力を加えることはブリッジに無理な力が加わり、ブリッジを外そうという力となり、徐々にではありますが、ブリッジを固定している接着剤が破壊され外れてしまうことになるのです。
現在は接着剤の質もかなり良くなり、優れたものを使うことによってこのような事態を招かぬように、可能な限り長期間安定して接着の状態が維持できるようになってきています。技術の進歩の恩恵ですね。
しかし残念ながら、極論ではありますが、物理的にくっつけたものは、たとえどんな素晴らしい接着剤を使用したとしてもいずれは外れてしまうわけなのです。その前提のもとで、可能な限り長期的な安定を私たちは目指しています。
昨日の読売新聞に、「予後」や「病理」といった医師が使う専門用語について、国立国語研究所が全国の医師を対象に調査した結果、患者に意味が伝わらなかった言葉が、736語に上ることがわかった。(読売新聞)という記事がありました。
私たちも日常の臨床で患者さんに説明をする際、なるべく解りやすい言葉で説明するよう努力しているつもりですが、時として患者さんが理解できない専門用語を使ってしまうことがあります。 おそらく、このブログでも解らない用語や言い回しが使われてしまっていると思います。その時もお手数ですが、質問メールを送っていただけると助かります。
ご質問はこちらへお願い致します。
さて、今日の質問です。
ブリッジが生存できなくなった(外れるあるいは外さなければならなくなった)理由として、神経に問題がおきて痛みがでるというのはどういうことですか?
神経のある歯を土台とした場合には、その歯を土台にするために削るという処置をしなければなりません。最近では、歯を削る治療をする時、ほとんどの場合に局所麻酔をしますので痛みを感じませんが、実際は痛い行為を行っているわけで、つまりストレスが加わっているのです。削るという行為は、多かれ少なかれ歯にダメージを与えてしまうのです。そのダメージをリカバリーすることができれば、歯の神経は良好な経過をおいます。しかし、そのダメージが残り、ブリッジがいれられ噛む力が加わると、健康な状態でも力学的に無理がかかっているため、結果として神経が炎症を起こし、痛みがでてしまうことがあります。
また前回もお話ししましたが、神経が突然死んでしまうことがあり、神経が死ぬ前には、多くの場合、冷たいものや熱いものがすごくしみたり、突発的に痛みがでたり、という症状が現れます。
ベルゲンホルツ教授たちの発表によると、重度になってしまった歯周病で、歯の根っこの長さの3分の1の高さの骨が、歯槽膿漏でなくなってしまっているような患者さんに対して、歯周病の治療を行った後、ブリッジを入れるためその土台となった歯の経過を調べたところ、神経が死んでしまったり、根っこの先に病気ができた歯は、15%で、同じような状態の歯でもブリッジの土台とならなかった歯では、3%だったそうです。特に、神経が死んでしまった歯というのは、ブリッジをいれてから、7〜12年たった後だったそうです。
歯を削ってブリッジをいれるということは、短期的に問題が起こるだけでなく、このように長期的な経過のなかでも問題が起きてしまう可能性が高くなるので、十分注意が必要ですね。
ここ数日は風も強く寒い日が続きましたが今日は、風もなく良いお天気ですね。
今日で二月も終わります。春の訪れは嬉しいのですが、ちょっとさみしいことがあります
当院歯科衛生士長が、本日をもって産休に入ります。こんなにおなかが大きくなるまで、頑張ってくれたことには本当に感謝していますが、やはりいなくなるのはちょっとさみしいですね。
元気な赤ちゃんを産んで一日も早く復帰してもらいたいと思っております。
さて、本日の質問です。
ブリッジが生存できなくなった(外れるあるいは外さなければならなくなった)理由として、ブリッジの土台になる歯の根っこに問題がおきるというのはどのようになってしまうのですか?
ブリッジの土台にかかわらず、歯の根に問題が起こる病気があります。一般的なものとしては、根の先に感染が起こり、膿がたまる病気があります。これは多くの場合が、神経を抜いた歯に起こります。ですから、神経を抜いた歯をブリッジの土台とする場合はこの病気(根尖性歯周炎)が起こる可能性が、あるわけです。
また、神経のある歯を土台とした場合にも、同様な状態になることがあります。この場合は、何らかの問題で神経が死んでしまい、その結果感染を起こすことになります。神経が死ぬ前には、多くの場合、冷たいものや熱いものが、すごくしみたり、突発的に痛みが出たり、という症状が現れるのですが、その後これらの症状が消えてしまうのです。これが問題で、この様なことが起こると多くの場合、「歯が痛んだけれども治ったからいいや」と安心されてそのままにされてしまう事が多いのです。そうなると他のことで歯科医院に出向いたときに、運よくレントゲンを撮る事ができれば解ることもあるのですが、そうでなければ気がつく頃には病状が悪化してしまっていると言う事になりかねないのです。
また、そんなに多くはありませんが、時としてほとんど無症状で、神経が死ぬ場合もあります。
そしてこの様な事態が起こってしまう原因は、ブリッジの土台になる歯ということに限定すると、
1.失った歯を補うために噛む力の負担がかかってしまう
2.ブリッジの特性として、歯が固定されてしまう
3.神経のある歯の場合、削るという行為が神経にダメージを与えその結果神経が死んでしまうようになる
等が、考えられます。
皆様からのご質問を募集しております。
ご質問はこちらへ。
宜しくお願い致します。
今日もよい天気ですね。日が出るのも少しずつ早くなり、早朝は、まだまだ寒いですが、春の足音が少しですが聞こえてきたような気がします。
では、本日の質問です。
ブリッジが生存できなくなった(外れるあるいは外さなければならなくなった)理由の一つである、「土台になる歯が虫歯になってしまう」というのはどうしてですか?
ブリッジの土台だから特別虫歯になり易いのですか?
はい、残念ながらブリッジの土台となる歯は、土台にされた事による様々な条件の変化で虫歯になりやすい状態になります。
その理由としては
1.ブリッジとしてつなげられているため、清掃性が悪くなります。つまり磨きにくくなってしまうようになり、虫歯になりやすい状態となります。しかし、ご本人がブリッジの部分をそのブリッジに適した清掃用具を用いて、日々清掃することで、虫歯になるリスクを減じることは可能です。
2.天然の歯は、一本一本が独立していて少しですが自由に動くことができるのです。つまりそれぞれの歯に通常のかみ合う力が加わった時に上手く順応することができるのです。ところがブリッジは土台になる歯同士を固定してしまう事になるのです。そうすると、たとえは稚拙ですが、二人三脚をさせられているような状態になるわけです。つまり咬む力を加えることはブリッジを外そうという力となり、徐々にではありますが、ブリッジを固定している接着剤が破壊され外れてしまうことになるのです。そして、この状態が、急速にブリッジの土台になっている歯全てに同時に起これば、問題は少ないのです。
?と思われるかもしれませんが、土台の歯、全部の接着の破壊が同時にそれも短期間に起こることは、結果としてブリッジが単に外れるだけになるわけです。もちろん外れないにこしたことはありません。しかし、良くお考えになればお分かりだと思うのですが、極論をいうと、くっつけたものは、たとえどんな素晴らしい接着剤を使用したとしてもいずれは外れてしまうわけなのです。
ところが、こちらが思っているほど物事は上手くいかないもので、多くの場合が、ブリッジの土台になっている歯の一部が緩み始めてしまい、残りの歯はしっかりとついてしまっているのです。この状態が問題なのです。患者さんとしてみると外れないのでそのまま使えてしまう。しかし、実際には、何本かの歯の接着は外れているわけで、その外れた歯とブリッジの被せ物の隙間は格好の細菌の住処となってしまいます。ですから、皆さんがいくら一生懸命歯磨きしても、ブリッジの被せ物が緩んだ中は、磨けないどころか細菌たちの温床となってしまうのです。そこで、着々と虫歯は進行してしまうのです。時にはブリッジが外れてみると土台になる歯の虫歯がものすごく進行していて、抜かなくてはならない状態になっていたということもあります。十分な注意が必要ですね。
そして、お恥ずかしい話なのですが、土台になっている歯が何本かありその中の例えば一本が外れただけですと、極端な場合は患者さん御自身では、何かブリッジが緩んだような感じがされていても、私たち歯科医師には絶対に、外れているという確証が持てないことがあるのです。もちろん御自身も分からないでいることも多々あります。
ブリッジでつながれている歯の中の一部の歯が外れてしまうという状態は、その診断も難しい場合があり、引き起こされる結果も良くないことがあります。
これは、ブリッジの欠点の一つですね。
みなさまからのご質問をお待ちしております。
皆様からのご質問を募集しております。
ご質問はこちらへ。
宜しくお願い致します。
ここのところ寒い日が続いています、皆さん体調はいかがですか?
そして、昨日はバレンタインデーでしたね。
チョコレートを貰った方も沢山いらっしゃるのではないでしょうか?くれぐれも虫歯にはお気をつけ下さい。
私はスタッフから義理チョコを貰ったのですが、なぜかその日の内にスタッフに食べられてしまいました。
ですから虫歯の心配はありませんが、チョコの味はわかりませんでした。
インプラントに関するQ&Aなのに、ブリッジに関することが続いていますが、私たちとしては、このブログを通して皆さんにインプラント治療についての専門家になってもらうための情報を提供したいのではありません 。もし、万が一にも歯を失ってしまった場合や、歯がないところに受ける治療のなかの選択肢の一つであるインプラント治療が、皆さんにとって必要な治療なのかどうかの「判断基準」が明確になるための参考になればと思っています。
さて、本日の質問です。
「では、ブリッジを外さなくてはならなくなるとは、どうなってしまうことなのですか?」
ブリッジが生存できなくなった(外れるあるいは外さなければならなくなった)理由としては、
1.土台になる歯が虫歯になった
2.根っこに問題がおきた
3.歯の神経に問題が起きて痛みが出てきた
4.突然外れた
5.土台の歯が壊れたり、折れた
6.歯周病になってしまった
7.ブリッジが前歯の場合には歯の色になっているところ(白い部分)が、変色したり、かけてしまった
以上のようなことがあげられています。
ご覧の通り、ブリッジの土台になる歯が、新たな病気になってしまったり、力学的なことが原因で問題を起こしていくようです。
皆様からのご質問を募集しております。
ご質問はこちらへ。
宜しくお願い致します。
昨日は中央区明石町の新年会に参加させてもらいました。
私たちの歯科医院もこの地に開業させていただき、まる14年になります。
振り返って見ると、この14年の間に少しずつですが成長してきたという実感はあります。
今後も、多少なりとも地域医療に貢献していきたいと思っております。 この写真は、新年会にお見えになった聖路加国際病院理事長の日野原 重明先生とちょっとめかし込んだ、当院スタッフです。
さて、今日の質問です。
「具体的に、ブリッジの寿命はどのくらいと考えるべきでしょうか?」
ブリッジの寿命は、8.3年、10.3年、11年といった報告(これが全てではありません)があります。
他にも、日本補綴学会等の報告でも、データとして数字にすると、似たようなものがほとんどのようです。
言い換えれば、これらの報告からは「歯を失って、そこにブリッジを入れた場合、多くの場合がおよそ10年前後でやり変える事になっている可能性がある」といえるのかもしれません。
しかし、これは、一部の集められたデータの分析結果の報告であり、全てを確実に表せているわけではありません。実際には、もっと長持ちしている症例も、少なくはないと思います。実際に日々の臨床の中で、自分が治療させていただいたものや、患者さんに問診させていただくと、もっと長くもっているものも少なくないと思います。
またそれとは反対に、ブリッジを入れたとしてもおそらく長持ちはしないとわかっていても、患者さんと歯科医師が同意の上でいれている場合もありえるわけです。
だからといって、この報告が役に立たないわけではありません。いくつかの研究が、似たような報告を出していることからも、「症例による格差はあったとしても、平均すると(ここが大切で、統計上、数字を平均しているという事を十分ご理解下さい)歯を失ってそこにブリッジを入れた場合、およそ10年前後でやり変える事になっている可能性がある」と言う事をこの報告は示しているといえます。
ですから、ブリッジの寿命については、残念ですが、上記のデータも一つの参考としていただいた上で、やはりそれぞれの症例によってその寿命に違いがでるといえると思います。
皆様からのご質問を募集しております。
ご質問はこちらへ。
宜しくお願い致します。
「私は、6歳臼歯といわれている奥歯が一本ありません。
今回、そこを治療するにあたり選択肢として、ブリッジ、入れ歯、インプラントがあると言われました。
そこで、入れ歯は嫌なので、インプラントかブリッジの治療を考えています。
よく、インプラントの成功率については、歯科医院のHPでも見ることができます。
では、ブリッジの成功率はどのくらいですか?」
ブリッジの場合、成功率をどう定義づけするかにもよるかもしれませんが、外れないでいるということを生存率とするのならば、10年で70〜80%、15年で60〜70%という報告がスカンジナビア(北欧)を中心にされています。
この数字だけを比べてしまうとブリッジによる治療は、インプラント治療の成功率よりもおとっているように思え、インプラント治療の方が成功率では優れているようにみえてしまいます。このことを逆手にとってインプラントが優れていると言う人たちもいるようですが、そうともいえないと私は思います。
一つには、インプラントの成功が、歯を失った部分の骨、あるいはそこにインプラントを埋入する部分の骨に依存するように、ブリッジの場合、ブリッジの支え、あるいは土台となる歯の状態に依存してしまうため、その歯の状態に多少無理があったとしても、そこにブリッジを入れることはあり得るわけで、ブリッジの成功率が多少悪くなることは分かっていたとしても、意図的にブリッジを選択している場合もありえるのではないでしょうか?
ですから、この報告だけでブリッジを否定する必要はないと思います。
また、インプラント治療でも、インプラントに隣り合う歯が、インプラント治療を受ける時点では、まだ抜くほど悪い状態ではないが、将来に問題が起こる可能性のあるような状態の場合、やはりどうしてもその歯を抜かずに隣にインプラントをしてしまう場合があります。このような場合数年後に、その歯を抜くような結果となることは、ありえることです。
現実に、最近のスウェーデンでは、インプラントに問題はおこっていないが、そのインプラントに隣り合っている歯が先にだめになってしまうという問題が起きているという報告があります。
もちろんこの報告は、インプラントを埋入するとその隣の歯がだめになるということではありません。
お分かりいただけたでしょうか?
ご質問はこちらへ。
歯科・小児歯科・矯正歯科・口腔外科
〒104-0044
東京都中央区明石町8-1
聖路加ガーデン内
セントルークスタワー1階
AM | 9:00〜13:00 |
PM | 月・水・土・祝 14:30〜18:00 |
火・金 15:00〜18:30 |
休診日:木、日