昨日の読売新聞に、「予後」や「病理」といった医師が使う専門用語について、国立国語研究所が全国の医師を対象に調査した結果、患者に意味が伝わらなかった言葉が、736語に上ることがわかった。(読売新聞)という記事がありました。
私たちも日常の臨床で患者さんに説明をする際、なるべく解りやすい言葉で説明するよう努力しているつもりですが、時として患者さんが理解できない専門用語を使ってしまうことがあります。 おそらく、このブログでも解らない用語や言い回しが使われてしまっていると思います。その時もお手数ですが、質問メールを送っていただけると助かります。
ご質問はこちらへお願い致します。
さて、今日の質問です。
ブリッジが生存できなくなった(外れるあるいは外さなければならなくなった)理由として、神経に問題がおきて痛みがでるというのはどういうことですか?
神経のある歯を土台とした場合には、その歯を土台にするために削るという処置をしなければなりません。最近では、歯を削る治療をする時、ほとんどの場合に局所麻酔をしますので痛みを感じませんが、実際は痛い行為を行っているわけで、つまりストレスが加わっているのです。削るという行為は、多かれ少なかれ歯にダメージを与えてしまうのです。そのダメージをリカバリーすることができれば、歯の神経は良好な経過をおいます。しかし、そのダメージが残り、ブリッジがいれられ噛む力が加わると、健康な状態でも力学的に無理がかかっているため、結果として神経が炎症を起こし、痛みがでてしまうことがあります。
また前回もお話ししましたが、神経が突然死んでしまうことがあり、神経が死ぬ前には、多くの場合、冷たいものや熱いものがすごくしみたり、突発的に痛みがでたり、という症状が現れます。
ベルゲンホルツ教授たちの発表によると、重度になってしまった歯周病で、歯の根っこの長さの3分の1の高さの骨が、歯槽膿漏でなくなってしまっているような患者さんに対して、歯周病の治療を行った後、ブリッジを入れるためその土台となった歯の経過を調べたところ、神経が死んでしまったり、根っこの先に病気ができた歯は、15%で、同じような状態の歯でもブリッジの土台とならなかった歯では、3%だったそうです。特に、神経が死んでしまった歯というのは、ブリッジをいれてから、7〜12年たった後だったそうです。
歯を削ってブリッジをいれるということは、短期的に問題が起こるだけでなく、このように長期的な経過のなかでも問題が起きてしまう可能性が高くなるので、十分注意が必要ですね。
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