新座市の歯科医院「にいざデンタルクリニック」で治療中の女児(2)が止血用の脱脂綿を気管に詰まらせ、約15時間後に死亡したという事故がありました。
弁護士によると、女性歯科医師(37)らが治療を始めたのは、13日午後3時頃。自宅で転んで前歯を打った女児は上前歯が抜けそうな状態だったが、治療を嫌がって診察台の上で暴れ、母親が胴体、助手3人が手足と頭を押さえて処置にあたった。
女医は局所麻酔を施してから治療を再開しようとしたが、その際に女児の頭が激しく動き、口に含ませていた円筒形の脱脂綿(直径7ミリ、長さ2・5センチ)が落下。器具で吸引しようとしたが引き出せず、同3時6分に救急搬送を要請したという。女医は「まさか脱脂綿が落ちるとは思わなかった」と話しているという。
地元消防などによると、女児は和光市の総合病院に搬送。約2時間後に東京都板橋区の大学病院に転送され、その後、死亡した。県警は女児の死因を窒息死とみているが、15日以降、司法解剖して詳しく調べる。
(2010年6月15日 読売新聞)
ということがありました。
事故の詳細は、これからになると思います。
まず、何よりも、亡くなってしまったお子様のご冥福と、ご遺族のお気持ちを考えなければいけないと思います。
そして、このような事故が二度と起こらないようにするためにも、歯科医療従事者として、コメントをさせていただきたいと思います。
まず、このような事故は、起こってはいけないことで、私達も日々細心の注意をはらっています。
しかし、このようなことが絶対に起こらないと言えるかというと、答えは「ノー」と言わざるをえないのではないかと思います。
いろいろなことを考慮に入れなくてはいけないのですが、 今回、皆様にまず知っていただきたいことが一つあります。
それは、お口は食べ物の入口であると同時に、空気の入り口でもあるのです。
その環境で治療を行うということは、万が一にも、何か物を落としてしまった場合に、それが気管に入ってしまい重大な事故に結びつくことがあるということなのです。
それを前提に患者さんと我々が協力し合い、理解し合って治療を行うことが大切になります。 「歯医者は歯を治療するから命にかかわらない」のではなく、場合によっては生命を脅かすことが起こりえるのだ言うこともご理解いただいきたいと思っております。
このブログでも過去にいくつかの事件を取り上げ、歯科治療に伴う危険性について患者さんだけでなく歯科医療関係者に少しでもご理解いただけるように努力してきたつもりでしたが、今回も本当に残念でしかたありません。
今後も、皆様に少しでも安心してい診療を受けていただけるようにしていきたいと思っております。