今回の様な事故の状態を誤嚥と言います。
誤嚥(ごえん)とは、Wikipediaによると以下のように表現されています。
食べ物や異物を気管内に飲み込んでしまうこと。また異物を消化管内に飲み込んでしまうこと。
窒息死することがあり、適切な方法ですみやかに除去する必要がある。
喉周辺の筋肉や嚥下中枢(延髄)の機能が衰えた高齢者による事故が多く、後に誤嚥性肺炎を招くこともある。
日本では、今後、高齢化が進むことから、嚥下しやすい機能性食品(病院食と普通食の間を埋める位置づけの食品)の開発が進められている。また声門部に於ける局所的な神経支配の障害、物理的な閉鎖障害により閉鎖不全がおこり、誤嚥が起こることがある。
そして、
誤嚥の特別な例として歯科治療の途中で器具材料を誤って取り落とし、気管内あるいは消化管内に飲み込ませた場合にもこの語を使う。
特に高齢者で嘔吐反射が低下した患者さんの治療の時に注意が必要である。
誤嚥を起こした材料として、試適時のインレー、クラウン、ブリッヂ、義歯など。治療器具として、リーマー、ファイル類、バー類などがある。
特にリーマー、ファイル類の誤嚥の防止にはラバーダム防湿法が必須である。
とあります。
Wikipediaにもこの様に載っているということは 、このような誤嚥は歯科治療では起こりえることと言えるのではないでしょうか?
しかし、私は起きて良いことだと言っているのではありません。
まして今回のように、死につながる事故となってはいけないのは当たり前です。
我々も大学教育の場、卒後研修の場で緊急事態に対する対応は勉強しているのですが、それはやはり研修にすぎず、まして、このような事態はそう簡単に起こるわけではなく、実際に遭遇することがまれなため、表現は適切でないでしょうが、経験不足であることは間違いないのです。
そのため、緊急事態に備え病診連携をとったり、卒後研修を受けたりと努力はしているのです。
当院でも、年間研修プログラムのなかに救命救急処置や緊急時の対応研修を行うことや、全身管理の必要な治療に際しては、歯科麻酔医を依頼し、その管理下で治療を行うよう努力をしています。