9月に入り、8月までの蒸し暑い日々からめっきり秋の気配を感じるようになりました。“食欲の秋!!"ということで、先日当医院スタッフが持って来てくれた今年初の栗を食べました。実が大きく立派で、とっても美味しかったです。そんな和やかなお昼休みのひと時でした。
院内ツアーもいよいよ後半に差し掛かり、本日は、治療するうえで必要不可欠である“滅菌器”についてのご紹介を致します。
“滅菌器”の役割である滅菌とは、“全ての微生物を死滅させる”ことです。院内感染を防止する為に、器具や器材の滅菌の徹底が必要不可欠となるのです。
しかし、歯科で使用する器具には様々な形状の物があります。
右の写真は歯を削る歯科用のハンドピースです。ハンドピースには3つの方向から穴があいています。この中に空気が残っていると、ハンドピース内の滅菌はできないのです。
そこで、もう1台の滅菌器を使用します。
歯科衛生士のインプラント歳時記4
でもご紹介しました『真空式蒸気滅菌器』です。
庫内をポンプによって真空状態にして、全ての器具類の隅々まで素早く蒸気を行き渡らせます。こうして、エンジンの中の空気も確実に除去し滅菌することが出来るのです。
また庫内は2台の滅菌器と違い、四角い構造となっていて器具を無駄なく入れられるのですが、実は滅菌器の庫内を四角い構造にするのはとても大変で、高度な技術が必要なのだそうです。
この滅菌器には滅菌の工程が確実に行われているかどうかをチェックする機能も付いています。滅菌器にプリンターが付いていて、圧変化、温度変化が所定の時間起きた事を記録しているのです。
それだけではなく
ボウイ・ディックテスト を併用することにより、この滅菌器がきちんと作動しているか(残留空気を除去できているか)も確認しています。
また、滅菌を行う際は、インジケーターと呼ばれるストリップスを滅菌する器具と一緒に庫内に入れ、確実に熱、湿度が器具に加わっているかを調べています。
近年では、既存の細菌やウィルスだけでなく、MRSAや狂牛病、プリオン病などの新たな病原性微生物や物質も発見され、それが問題視されています。
外科処置はもちろん、通常の診療においても「感染」の危険性があります。これらの事を私達は常に念頭に置き、いかに院内で予防し、安全で確かな治療を提供出来るかということを考えています。
次回は滅菌をする前の大切な工程を行っている『ウォッシャーディスインフェクター』のご紹介をいたします。