暑くて寝苦しい日が続きますね。水分や栄養補給に注意して夏バテしないように気をつけましょう。
さて今日の質問です。「歯石を取った後、痛むのですがなぜでしょうか?」
歯石を取った後、痛むことがありますが、必ず全ての方に痛みが出るわけではありません。
歯石がたくさんついていた方や歯周病が重度に進んでいた方の場合、特に痛みが出る可能性が高くなります。
まず、歯石とは唾液中のカルシウムと歯についたプラーク(歯垢)という細菌の塊が徐々に石灰化して歯面に強固についた硬い沈着物です。
歯石は表面が凸凹ざらざらしていて、その上にまたプラークがつきやすくなります。プラークは虫歯や歯周病などのお口の代表的な病気を引き起こします。そのため歯石は取らなければなりません。
歯石を取った後は、歯石で覆われていた部分の歯が露出します。そして、しばらくすると歯茎の炎症が引いて歯茎が下がることがあります。
歯石を取った後の痛みは大きく2つあります。
① 歯がしみて痛む
② 歯茎が痛む
① 歯がしみて痛む
歯がしみて痛むのは「知覚過敏」の症状が起きていることが考えられます。以前のブログで知覚過敏についてご紹介していますので、詳しくはこちらをご覧ください。
歯石を取った後の知覚過敏はほとんどが一過性のもので徐々に改善し、通常2日から数週間で治ることが多いです。対処の第一は、しみて痛む歯の歯面に再びプラークがたまらないようにきちんとブラッシングをして清潔に保つことです。それにより歯石がはがれてむき出しになった歯の表面が強くなって、徐々に痛みが低減、消失してきます。
どうしても痛みが気になりブラッシングが出来ない時は、フッ素を塗って対処します。それでもごく稀に継続して痛む時には他の処置が必要になる場合もあります。
② 歯茎が痛む
歯茎の下についている歯石は、歯茎に重度の炎症を引き起こすことがあり、その歯茎は弱く傷つきやすくなっています。歯石を取る際に充分に注意をしても場合によっては傷つき、痛みが出でしまうことがあります。痛みが強い時や感染を起こしている疑いのある時には、その部位の消毒や洗浄をしたり、抗生剤や内服薬を処方することもあります。
また歯石が奥深くについていてとりきれていない場合や微量でも細菌が残っている場合には、治癒の過程でこれらが刺激物質となり痛みが出ることがあります。その時は再び原因物質を取り除かなければなりません。
炎症の症状の出方は痛みだけでなく、腫れる、赤くなる、熱くなるなど様々なので、気になる症状が出た場合は歯科医院で診てもらって下さい。
歯石はご自身でのブラッシングでは取ることが出来ないので、歯石がついてしまったら歯科医院で取るようにして下さい。
お口の健康を守るために歯石を取ることは大切ですが、再び歯石がつかないようにすることが最も大切です。歯石予防のキーポイントはご自身によるセルフケアです。毎日のブラッシングできちんとプラークを落しましょう!!