先日のブログでお話した、日刊スポーツに掲載された記事の第二弾です。取材の方は、当院にお見えになっていただいただけでなく、健康歯考講座にも参加してくださったんです。
そうそう、次回の健康歯考講座は来年の1月21日(日)に東京国際フォーラムにて開催いたします。詳細はHPにて後日お知らせいたします。皆様の御参加をお待ちしています。
さて、それでは以下に、記事(少し加筆修正しています)を掲載いたします。どうぞご覧ください。
平成18年10月26日 日刊スポーツより
予防歯科最新情報25
カシャ。「はい次の色」。カシャ。診察台のK子さん(30)の前歯の横に、歯科衛生士が人工歯のサンプルを次々に並べる。
馬見塚デンタルクリニック(東京都・中央区)の馬見塚賢一郎医師が、接写レンズをつけた大きな一眼レフカメラで手早くその口元を撮影する。
歯の見本は、色や透明度や表面の質感など、実にさまざまなタイプがある。20枚以上の写真が撮影され、K子さんの口元に合った自然な人工歯を細部まで 再現することになる。一般の歯科医院で、ここまでこだわる医師は少ない。
K子さんは日比谷で働くOL。中学生の時に虫歯になった前歯を抜き、隣の歯も虫歯になってしまったため、前歯3本はすでに差し歯になっている。
だが、 不自然に大きく真っ白な差し歯3本とやや黄色がかった自分の歯のバランスにずっとコンプレックスがあった。最近、その前歯が痛み始めた。
診察の結果、根の部分が病気になっており、1ケ月の根管の治療後、新しい差し歯を作ることになった。
K子さんは「前歯4本か、6本でも全部差し歯にして自然にしてください」と頼んだ。
しかし、馬見塚医師の答えはノーだった。肩を落とすK子さんに「でも自然な歯にはできますよ」と馬見塚医師は笑顔で答える。
「僕は医師ですから、見た目のために健康な歯を削ることはできません。患者さんの本当の望みは、既製の色をした歯を入れたいのではなく、自然な見た目ではないでしょうか。それを実現することは医師の使命であり、努力で可能なことです。」
この医院で差し歯を入れる場合には、その人の歯の色や形や特徴を写真で丁寧に撮影し、質感や、着色、繊細な傷までを隣の歯に合わせ、忠実に再現する。
K子さんの白すぎた3本の差し歯は、自分の歯に限りなく近い小さめで少し黄色がかった透明感のある歯になり、長年の笑顔コンプレックスからも解放されたのだった。
・差し歯の種類
陶材を焼いて作ったポーセレンジャケット、金属の鋳物に陶材を焼き付けたメタルボンドポーセレン、ガラスを固めたオールセラミックの3種類