暖冬といわれてましたがここ最近寒い日が続きますね。今朝は東京でも雪っぽいものがちらついてなんだか冬に逆戻りな感じです。三寒四温といいますが春の訪れが近づいているんでしょうか?
さて今回はインプラント治療を成功に導くために欠かせない検査であるCTについてです。CTはこれまでお話ししたデンタルやパノラマと同じX線を利用したレントゲン検査で、正式名称をComputed Tomographyコンピュータ断層撮影法といいます。
撮影装置は大きなドーナツ型をしていて、その中心にスライドする台が設置されています。ドーナツの中心に向かってX線が回転をしながら360度全方向から照射され、台に乗った被写体(人間の場合は仰向けに寝転がって)がそこを通り撮影される仕組みになっています。
被写体を透過したX線は検出器で測定しコンピュータで数値化され、その強弱を元に画像がつくられます。この画像情報はコンピュータでその濃さを調整することが出来ます。この調整によって、脳や筋肉、内臓などX線の透過度が微小な差しかないために普通に現像すれば同じようにしか写ってこない物質でも見やすく出来ます。こうしてコンピュータ上で画像処理されたものを、テレビモニターに映し出したり、フィルムに現像したりすることでCT画像をみることが出来ます。医科においては脳や心臓、肺、肝臓など内蔵、骨など広範囲な部分での検査に利用されています。
このCT検査がなにより特徴的なことは、そこで得られる画像が被写体を輪切りにしたものだからです。前回たとえとして挙げたとおりデンタル・パノラマなどのレントゲン写真はビルを真上から見た様なもので、そのビルが何階建てなのか、各フロアはどうなっているのかは推測するしかありませんでした。しかしCTを用いて検査することによって各階ごとの様子(間取り、柱の太さ、階段やエレベーターの位置、等)が切り出して見えるようになり、全体の状態が立体的にわかるようになるのです。つまりデンタルやパノラマでは一方向からしか見えなかった骨の状態もCT検査で立体的にあらゆる角度から観察することが出来るのです。
また画像データをインターネットやCD-ROMでやりとりすることで大きなフィルムを持ち運ぶことなくパソコン上でCTの情報をやりとりして画像診断を行うことが出来ます。当院にはCTの撮影設備がないため、いまは
外部の施設 へCT検査を受けに行っていただきます。その結果をフィルムとCD-ROMで送っていただくことでCTを用いた診断が出来るのです。現在ではインプラント治療のためのCT
画像診断ソフト もあり、パソコンでCTの画像を調整して診断することが出来ます。
このようにして得られたCT画像で、インプラントを埋め込む予定の部分に十分な骨の高さ・幅・厚みがあるかどうか、また骨の中になにか異常なものがないかどうか、さらに骨の状態(硬さ)などを診査します。こうしてインプラントを埋め込めるかどうか診断したり、埋め込むインプラントの長さや方向などを確認し手術に際して事前のシュミレーションをすることでインプラント治療をより確実なものにすることが出来るのです。
当院で行われているレントゲン検査がどのようなものか、お分かり頂けたでしょうか?次回は、これらのレントゲン検査を実際のインプラント治療においてどのように利用しているのかをお話しします。