みなさん、こんにちは。新潟県中越沖地震では原子力発電所の放射線漏れなどの管理体制が問題になっていますね。今回はその放射線に関わるお話です。
馬見塚デンタルクリニック院内ツアーは受付を過ぎ診療スペースに入っていきます。
受付の横を過ぎてすぐのところに灰色の厚い扉があります。ここがレントゲン室の入り口です。
どこの病院でもそうですが、レントゲン室は放射線管理区域といわれドアから壁、ガラスにいたるその周囲に鉛が埋め込まれ外部に放射線が漏れないように密閉されているのです。
室内にはレントゲン機器が二台あります。室内に入って左側にある機器(写真左:デンタル画像/写真右:デンタル機器)は、デンタルといわれる歯科ではよく撮影される写真1枚に歯2〜3本を撮影することができるレントゲン写真用のカメラです。
右側の大きな機器(写真下)はパノラマといって顎全体を撮影することができるレントゲン写真用のカメラです。
このパノラマ撮影機にはさらにもう一つの機能があって矯正治療(歯並びの治療)に使われる頭全体を撮す機能も持っているのです。これらの機能を必要に応じて使い分けているのです。虫歯や歯を支えている骨の検査であればデンタルを、親知らずやインプラント治療のために顎の骨全体の状態を検査するのであればパノラマをというように使い分けます。当医院のレントゲン撮影機はドイツ・シーメンス社製のものです。シーメンス社は、レントゲンを発明したレントゲン博士とともに開発をおこなったメーカーなのです。日本的な表現をすれば、元祖レントゲンと言ったところでしょう。
皆さんの中にはレントゲンは放射線、体に害があるから撮りたくないと考えている方がいらっしゃるのではないでしょうか?実際に、放射線は人体に対してけして無害なものではありません。しかし、私たちは普通に暮らしている中でも自然と放射線にさらされています。それは空の向こう宇宙から降り注ぐものであったり、私たちの立つ大地から発するものであったり、地球上で生きている限り、自然といくらかの放射線を浴びているのです。実際、私たちはこうして生きているわけですから、自然に浴びているくらいの放射線では大きな影響がないことがわかります。ただし、一度に大量の放射線を浴びれば、身体を形作っている細胞が壊されてしまいます。また頻繁に放射線を浴びることで、ガンや白血病など細胞の突然変異から起こる病気になる可能性が高まります。つまり、さらされる放射線の強さや時間が多ければ多いほど、その影響は大きいと言えるのです。ですが、このような人体への影響がでてくるには、人間が一年間に自然に浴びる量の100倍以上もの放射線が必要となることがわかっています。では、実際に歯科で使われているレントゲン写真はどうでしょうか。一年間の自然放射線量を基準として、それぞれのレントゲン撮影一回につき使われる放射線量を比べてみましょう。デンタルではその1/100、パノラマでは1/50の量となります。全く問題のない放射線量ということがわかります。さらに、当医院では、世界で優秀といわれるレントゲン装置と、レントゲンフィルムに感度の良いものを使用しています。
こうすることで、より少ない放射線量でも、くっきりと鮮明なレントゲン写真を撮影することができます。また撮影時には鉛の入ったエプロンを着用して頂き、首より下の検査に関係のない部分には放射線が当たらないようにしています。レントゲン検査は、このような放射線の影響を考慮に入れて行われ、可能な限り皆様が浴びる放射線量を低減するようにしています。また、これらの影響は撮影される患者さんだけでなく、撮影する我々にもあります。当医院では撮影する歯科医師がどのくらい放射線を受けたかを測るバッジをつけ管理しています。
簡単にレントゲンについてお話しましたが、実際の治療に際し疑問や不明な点がありましたら、遠慮せずにスタッフに聞いてください。
今回の院内ツアーはここまでです。次回は当医院の手術室についてご紹介します。