「歯の治療で神経を抜いたんだ」という声を耳にされたこと、また実際に治療をされたことはありませんか?
この治療が「抜髄」と言われ、歯髄をとってしまう処置なのです。
歯髄がなくなると、歯髄の役割もなくなります。歯は、強度が不足して割れたり、虫歯になったことを痛みで知らせることができず、気づいた時には手遅れになっていたなんてこともあり得るのです。
歯の構造について、少しご理解いただけましたか?
虫歯予防は毎日のケアがとても大切です。
虫歯に負けない強い歯を作りましょうね。
日に日に寒くなってきましたが、皆さん体調は崩されていませんか?
さて、今回は歯の構造と虫歯の進行についてお話しましょう。
図のように、歯は三重構造からなり、歯髄に象牙質が被さり、歯の頭の部分は象牙質の上からエナメル質が被ってできています。
- エナメル質
人体の中でも一番硬く、細菌は容易に侵入することができません。
また温度や噛む力等の熱や刺激に耐えられるものです。
- 象牙質
エナメル質に比べてやわらかく、歯随まで小さな穴が空いているため、細菌の侵入するスペースがあり、熱や刺激にも弱いです。
- 歯随
血管や神経、歯を作る細胞からできており、血管が栄養分を運んだり、細菌が入ってきた時に免疫反応を起こして身体を守ったり、象牙質を作って歯の強度を保ったり、痛みを発して異常を知らせてくれる役割を持ちます。
虫歯の進行は、まずエナメル質を溶かし(脱灰)、次に象牙質へと進みます。この段階での治療のほとんどは、虫歯になってしまった部分を削り、穴の空いた所に代わりの物質(樹脂や金属)を付ける処置で終了します。
しかし、虫歯が神経まで達し炎症が起きていたり、歯髄のある歯の根の中が感染もしくは腐敗して膿んでしまうと、抜髄をして「根の治療」をしていかなくてはなりません。