ご 案 内

 

  • 当医院では、一般の方々向けに健康歯考講座を定期的に開催しております。
    本講座は、健康な歯を維持し、虫歯や歯周病を予防し、お口のQOLを向上するために役立つ知識、考え方、そしてさまざまな治療法に関する正しい知識等を公開している講座です。
    講座の日程、お申込みなどの詳細はこちらをご覧ください。
  • 当院ではご覧頂いている「健康歯考ブログ」の他に、公式ホームページにてインプラント治療に関する「インプラントブログ」、歯科全般に関する「予防治療ブログ」、「PMTC専門サイト」を開設しております。
    よろしかったら、そちらもご覧になってください。

インプラント治療の成功率は90%以上というのは本当ですか?

 こんなことがありました。親知らずのまわりの歯茎が少し腫れて、お痛みが出てしまっている方が急患でお見えになりました。幸いに親知らずを抜かずに消毒をするだけで何とかなりそうなので、今後暫くは様子を見ていただくことにしました。そして「もし万が一にもまた痛み出したら御連絡を頂ければ対応させていただきます」とお話をしたら、患者さんが、「こちらはいつも混んでいて忙しそうだから、突然連絡しては御迷惑ではないですか?」と言われたのです。
確かに、おかげさまで当院は現在も多少混み合っており、予約がとりにくい事もあり御迷惑をおかけしております。しかし、お痛み等で困っていらっしゃる患者さんは例外で、可能な限り迅速に対応させていただくつもりです。どうぞ、ご遠慮なく御連絡を下さい。もちろん、現実問題として予約をされている患者さんがいらっしゃいますので、お待たせしてしまうこともありますが、なるべく早く対応いたしますので、多少なりともお時間に余裕を持っておこし下さい。

 さて本日から新たに、「Q&Aでわかるインプラント治療」をはじめます。第1回の今日は、みなさんからよくうける質問「インプラント治療の成功率は、90%以上というのは本当ですか?」についてです。  s-花2.jpg

このようなご質問に対し、多くの歯科医院が回答として、「インプラント治療の成功率は10年後で、95%以上とされています。」と答える事が多いのではないかと思います。

これは、ひとつの事実なのですが、十分な回答とはいえないと考えます。

結論からいうと、ある一定の条件をクリアした上では、インプラント治療の成功率は10年後で、95%以上になるといえます。

この回答(インプラント治療の成功率は10年後で、95%以上)にはちゃんとした裏づけがあります。その根拠として引用されるているのが、Adell 先生達(1990)の文献で、無歯顎(歯の1本も無い人)へのインプラント応用を語るとき、歴史的な臨床追跡研究とされているものです。

これは同じAdell先生達による1981年の追跡研究の続編といえるものであり、私たち臨床家への示唆に富む論文です。その結論として、無歯顎に関するインプラント治療は15年間に及ぶ追跡研究により、上下顎を通じて成功率が高く、長期的に予知性の高い治療法であることが唱えられていて、それがよく引用されています。

しかし、これはブローネマルクシステムと呼ばれるインプラントを、定められた条件のもとで、施術された結果を調査されたものなのです。今となっては、ブローネマルクシステムは40年以上の歴史を持つインプラントとなっていますが、全ての歯科医院がこのシステムのインプラントを行っているわけではないのです。また、ブローネマルクシステム自体も実際にはこの調査の時に用いたものとまったく同じインプラントシステムではなくなってしまっているのです。しかし、ブローネマルクシステム以外のシステムでも長期的な臨床結果の発表がされ、高い成功率が示されています。

実際に、色々なシステムで、インプラントのマテリアル、デザイン、表面の性状について、多く語られ、論議されてきました。全てとは言えないのですが、いくつかのシステムが信頼できるものといえるようになっているのは事実です。結果として世界で多く使用されているインプラントシステムの中には、信頼のおける製品が存在しているといえると思います。

最近では、世界各国の著名な研究者、臨床家からの発表でも、「インプラントのマテリアル、デザイン、表面の性状については多く語られ、良いシステムが存在している。しかし、歯科医師のトレーニング、技術についてはあまり語られなかったのではないか?」という意見を耳にすることが多くなっています。

私たちがインプラントの教育を受けた頃は、確かに歯科医師のトレーニング、技術についてはあまり語られてはいませんでした。それは、その当時、決して「誰が行っても上手くいきますよ」といわれていたわけでなく、その前提には、インプラント治療に携わる以上、それ相応の知識を得、自ら進んで技術の研鑽をするのは当然であったと思うのです。

ところが21世紀を迎え、発表されるインプラントに関する情報の殆どは高い成功率を示していたために、最近は残念な事にインプラント開発メーカー自体が、その販売に重きを置いているのか、風潮として、「インプラントはそのシステム自体はすでに確立されたものであり、誰がやっても上手くいく」とでもいっているかのように思えるのです。

以前ならば(懐古趣味ではありません)決してそれだけでは十分なトレーニングとはいえないまでも、ある一定の研修を受け、それを修了した者がインプラントを始めるのが当たり前であったのですが、今はそれすらなくなってしまっているのです。

その裏側には、「インプラントシステムはいくつかの優れたものが存在しているが、近年それを使う歯科医師の技術に、バラツキが多く存在してしまっているようである。」ということが示唆されているのではないでしょうか?

つまり、

「インプラント治療の成功率は、90%以上というのは本当ですか?」というご質問に対して、我々医療従事者は

「定められた条件を守り、知識、技術のある術者が行った場合、ブローネマルクシステムをはじめとして、いくつかのインプラントシステムが、高い成功率を示す。」と答える必要があるといえます。                                            s-ムシバラス.jpg

 お分かりいただけたでしょうか?今後、みなさんからのご質問に対してこのような形で、インプラントチームよりお答えしていきたいと思います。  

 なお本日より、「Q&Aでわかる歯科インプラント治療」へのご質問受付フォームを作成いたしました。ご質問がある方は、こちらへ。