隅田川の周りはあっという間に桜が満開となり、一年で最もきれいな時期になりました。
さて、根っこの病気の続きです 。
Q1:治療ってどんな事をするのですか?
A:根の治療初日は、歯の頭の部分(私たちは歯冠と呼びます)の中心に削って穴を開け、根管内(歯の中の神経が通っていた管の事です)の感染を取り除き、洗浄後、薬を入れ蓋をします。 2回目以降の治療は、症状を確認しながら洗浄と消毒を行い、炎症が消えていれば、最終的なお薬を詰めて封をします。これで根っこの治療は終了です。その後は、削った歯の頭を元のしっかり噛める状態に戻す為に被せ物を入れていきます。
Q2.治療は何回かかりますか?
A.通常、根管の消毒が終われば、身体が治す力(治癒能力)によって炎症は消え、2、3回で終わります。しかしながら、根管の構造は樹木の幹が枝別れしているように複雑な場合が多くあり、その場合炎症がすぐには消えず、症状が長引いたりすることがあります。 症状の有無をみながら治療を行うので、回数、期間は個々の歯によって異なります。
Q3.治療により痛みがでますか?
A.根の先の病気を引き起こしている細菌に対して身体の戦う力(免疫反応)が過剰に起きれば、腫れを伴う痛みが出る可能性がありますが、適度な反応ならば痛みはありません。つまり身体の抵抗力や細菌の種類などが関係すると思われますので、残念ながら、実際治療をしてみないと分かりません。例えば、レントゲン等で根の病気がみつかり治療を始めてみると、今まで全く痛んでいなかった歯が、治療した為に痛みだす事もあります。ただし、ほとんどの場合この痛みはしばらくするとなくなります。 治療中の注意点としては、治療の間、削った歯の穴は仮の蓋でふさいでいる為、蓋が外れてしまうとお口の中の細菌が唾液に混ざって再び根の中に入り込んで感染してしまう恐れがあります。また、治療が終わるまではその歯は弱く、無意識に硬い物を強く噛まれたり、衝撃が加わることでその歯が破折する危険があります。つまり、治療を中断されたり、蓋が外れたまま痛く無いからと放置してしまうと問題がおこる場合がありますので、根の治療を行ったら絶対に治療の中断はさけて下さい。
Q4.完治しますか?根の病気にはもう2度となりませんか?
A.多くの根の病気は根管内がきれいになることで治りますが、残念ながらわずかですが症状が落ち着かない場合や一度治ってもまた感染し再発してしまう場合もあります。最悪の場合は抜歯になるケースもあります。根の中は複雑な形をしており、治療がうまくいかないケースもあるのです。 やはり根の病気にならない為にも、まずは虫歯にならない事、そのためにきちんとした日常のケアを行い、さらに定期的なチェック、予防的ケアをうけることがとっても大切なことなのです。