さて、本日の質問です。
「フラップレス手術が万能ではないということは分かりましたが、その上でフラップレス手術の利点はどのようなことでしょうか?」
フラップレス手術の利点は、手術後の腫れがほとんどなく、痛みも少ないということです。また多くの場合は、即時加重という方法をとるため、すぐに咬めるようになるという利点もあります。
基本手技にのっとった従来の方法では、歯肉を顎の骨からはがすという方法がとられるため手術後、比較的腫れやすくなります。またフラップレス手術は、手術後の痛みも従来の方法より出にくいと言えます。
しかし、従来の方法でも、多くの場合は強い痛みが出ることはありません。また、鎮痛剤も十分に効くため、痛みについての有利さはそれほどないかもしれません。
前回までにお話した欠点(ナビゲーションシステムを用いる上の精度、歯肉を切って開かないために、インプラント体を埋め込む際に、最初にインプラント体が直接触れるのは、骨ではなく歯肉になってしまう事等)が、解決されれば、フラップレス手術は優れた治療法の一つと言えます。実際に現在も様々な機関で、研究、調査が進んでいる段階です。