今日は、歯磨粉についてです。
今回の番組では歯磨き粉の量が、取り上げられていましたね。
量を考える場合は、その成分に注意する事が、まず大切です。
歯磨き粉に、含まれる成分の中で、注意していただきたいのが、研磨剤です。これは、歯の着色(最近はステインとよばれ、コーヒー、紅茶等の茶渋や、ワインの渋)を落とすためのもので、極端な表現ですが、流し(シンク)をきれいにするクレンザーのようなものです。研磨剤が入っていると、確かにこのような着色は落ちますが、加えて歯が削れてしまうのです。
ですから、基本的には研磨剤が入っていないものを使われることをお勧めします。
そして、歯磨き粉には様々な成分が含まれ、その効果がうたわれていますが、これらのほとんどは、実験上のことであり、実際に皆さんのお口の中で、それらがどれだけ有効かは、わからないものがほとんどです。
その中で、まずフッ素というものが、虫歯予防に効果があることが実証されていますので、このフッ素という成分が含まれているものを使われると良いかもしれませんね。そして、このフッ素入りの歯磨きを使った場合は、その効果を期待するために、歯磨き後、あまりすすぎすぎないようにし、お口の中にある程度の時間フッ素が停滞しているようにすることが推奨されています。
またもう一つ、知覚過敏用の歯磨き粉も最近は多く出ています。一例ですが、シュミテクトという歯磨き粉があり、これはずいぶん前から欧米ではセンソダインとい名称で発売されていたものです。実は、歯科医師になりたての頃、知覚過敏がある患者さんに、その当時日本には知覚過敏用の歯磨き粉がなかったため「もしアメリカの方に行く機会があれば、センソダイン(現シュミテクト)という歯磨き粉が売っていると思いますので買ってお使いになってみてください。と何度かお話しをしたことがよくありました。この歯磨き粉は発売期間も長く、国内のみならず海外での販売実績もあるものといえますね。
現在では他にもいろいろなメーカーから知覚過敏用歯磨き粉が発売されています。それぞれについては言及できませんが、ある程度の効果が期待できるのではないでしょうか