前回、虫歯は十六世紀に入って砂糖が大量に生産されるようになり、世界中に流通するようになると同時に世界中に虫歯が大発生したと言われているとお話しいしました。
そして、虫歯は文明病の一つで、人間は、火を利用するようになり、農耕を確立し、食という面での危機(飢え)から逃れるすべを得たのですが、それと同時に、虫歯という病気もつくってしまったというおはなしでした。
そして今日の本題です。野生動物に虫歯はないのでしょうか?
答えは、野生動物に虫歯は基本的にないと言われています。野生動物は、食事(餌)を生のまま加工することなく食べています。
その多くは、咬み応えがあり、なおかつ繊維性の成分を多く含みます。そのため良く噛まねばならず、それが結果として、歯磨き効果を生んでいるのです。
つまり、天然のものを、生でよく噛んで食べることで食べながら歯磨きもしている状態になっており、虫歯だけではなく、歯周病もなかったのです。
しかし、最近では、野生動物とはいえども、人里に現れ人間が食べているものを食べているような場合は、虫歯も歯周病も発症しています。
野生ではありませんが、ペットの犬や猫は、ほとんどが歯周病になっています。そして、最近では、ペットにまでスウィーツを与える傾向があるようで、そのため虫歯も特に増加していると言われています。
本当の野生動物でも、例えば、餌を捕獲する際に、自分の牙を折ってしまったたり、長年の使用で歯が擦り減り、そこから虫歯になってしまうことはあるようです。しかし、基本的に動物は自分の歯を失うこと=死ということになるわけです。じつは、野生動物ではありませんが、上野動物園で飼育されていたロバが高齢になり自分の歯がなくなってしまって、ものが食べられなくなるという事態が発生したことがあるそうです。
その時は、何と歯科医師が、ロバの為に入れ歯を作り、事なきを得たそうです。しかし、この話には、残念なオチがあり、入れ歯を入れたロバは、餌が食べられるようになり、現紀になったのは良かったのですが、元気になりすぎて、囲いの柵を飛び越そうとして、柵に刺さって死んでしまったそうです。
かわいそうな結末になってしまいましたね。実は、当院の院長はとても動物が大好きで、今は、シェパードとブルドックと一緒に暮らしているのですが、ちゃんと歯磨きをしているそうです。さすがに、PMTCはしてはいないそうです。
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