もう少し医療にかかわる数字の捉え方についてお話させてくださいね。
前回、治療成績をそのままとらえるのではなく、その対象者について十分考慮煮れるべきだというお話をしました。
今回は、ここで用いられる数字についてです。
例えば、インプラントの治療の成功率が93.5%というような表記というものをよく見ると思います。
このように小数点以下まで93.5%と細かく数値が示されると、もっともらしく見えますよね。
これが90%となっていたらどうでしょうか?
何かぴったりしすぎて、いかにも作られた数字のように見えませんか?
でも、実際は、この数パーセントの違いを厳密に評価したり、その違いについて十分議論して、結果あるいは違いの意味を出せるほど、このような数字に厳密さはないと言えるんです。
だからと言って、学会等でこのような発表をする場合に大まかな数字で良いわけではありません。
しかし、みなさんがこのような情報の数字を見る場合は、小数点以下まで細かく気にしたりするのは、ほとんど意味はなく、ある程度おおまかな情報に過ぎないと考えたほうがよい場合が多いと思います。