前回は、成功率等にみられる数字の見せ方で小数点以下の数字が出ると何となく真実味が出てしまうというお話をしました。
このような成功率の話では、よくあるのがインプラント治療の成功率が94,6%である等の表記ですね。
さて、今日はこのようなある医院での成功率表記の落とし穴についてです。
グループの情報をとりまとめた数字だけに注目してしまうことの危険性についてのお話です。
治癒率や生存率などは、いずれもある集団(このような場合はその治療を受けた人達)の情報をとりまとめて算出されます。
このとりまとめ方を間違ってしまうあるいはあえて取りまとめ方を意図的に操作する、あるいは統計の仕方を間違うと、そこから導き出される数字はいかようにもなってしまうのです。
例えば、学習塾のテストの成績を考えてみましょう。
試験で、 受験クラス3人 100点、90点、80点、平均点90点
進級クラス3人 70点、60点、50点、平均点60点
という結果が出たとします。
しかし、塾の情報をHPに出す際に、少しでも見た目を良くしたい場合、受験クラスで80点をとった生徒を進級クラスに移してみましょう。
すると、どうでしょう
受験クラス2人 100点、90点、 平均点95点
進級クラス4人 80点、70点、60点、50点、 平均点65点
となってしまいます。
つまりこの塾の先生は、生徒に何も教えなくても両クラスの平均点が上がってしまうのです。
この様な数字のマジック?は、医学の数字や、医療機関の数字にもあてはめることができますね。
統計っていうのは、本当に難しいものですね。