前回のブログで、
「成功率の表示についてだけいえば、症例数の多い方が信頼性が高くなるといえるのですが、だけが太線になっていることからもご想像はつくと思うのですが、症例数がただ多ければいいというのではない」というお話をしました。
症例数が多いことを統計学上でサンプル数が多いという表現をします。
このサンプル数、私達の場合でいえば、症例数が多いということになります。
すると前回の考え方では、その成功率の信頼性は高くなります。
しかし、例えば、その症例に偏りが大きいつまり、比較的簡単な状態、あるいは条件の良い患者さんたちを主に対象としいるとします。
そうすると、そこで難しい状態の患者さんの治療を行うことになった場合は、同じような結果を得られるとは言えないのです。
集まったあるいは集めた症例に偏りが大きいければ、そこからは正しい結論を導きだすことは出来ず、その結果が一般的だとすることもでくなるのです。
以前にもお話ししましたが、このような結果に影響を与える偏りのことをバイアスと呼びます。
統計をするうえで集団を集める時に、生じるこのようなバイアスを完全にとり除くことは不可能なのですが、意図的であろうとなかろうと、その集団に明らかな偏りが認められれば、たとえその集団の規模が大きくても、今回の場合でいえば、症例数が多いとしてもその結果からは、正しい結論を導き出すことはできないのです。