前回まで、医療の数字に関していろいろとお話してきました。少しでもお役にたてるようにと考えたつもりですが、なんだかよくわからなくなってしまったかもしれませんね。
チョト極端な表現ですが、医療に関する情報は、それ自体が間違っているわけではないが、それが全てではなく、それゆえに足らない部分、あるいは表されていない部分を読み取ることが必要となるということです。
これは、我々医療従事者も同じことなのです。
では、それらを正しく評価、判断するにはどうしたらよいのでしょう。
まずは、参考までに我々医療従事者の場合は、その数字に表わされていない情報を自分たちの経験や専門的な知識で補うことで、その情報を批判的?に解釈しています。
この方法の講義があるくらいなのです。
例えば、私達であれば、ある治療をしなかった場合に、どのような問題が起こるのか、起こらないのかを判断できますし、その薬治療法がどのくらい行なわれているかのおおよその判断もできます。
情報に欠けている部分があっても、それを補いながら判断することができるのです。
ですから、基本的にはみなさんに比べて、情報に振り回されない解釈ができていると言えるのかもしれません。
私達の知識があるかないかの違いは、その持てる知識の量だけではなく、その知識を利用していかに的確な判断が出来るかなのです。
逆にみなさんはその情報を補わずに判断してしまう可能性が大きいのです。専門的な知識を得ることは難しいですし、その経験も身近な人あるいはネット上の評判の様なものから判断してしまうため、ついつい目に見えている数字や、その表現方法ばかりに気を取られてしまうのは、無理はありません。
たとえは悪いですが、テレビショッピングのCMについつい信じて買いたくなってしまうのと同じ様なものなのかもしれませんね。