当院の診療科目にはマタニティー外来という科が標榜されています。
マタニティー外来の対象者は、これからお子さんを授かりたいと思われている方から出産後のお母さんとなります。
その目的は、
妊娠期間中に起こるお母さんのお口の中の問題を引き起こさないため、
また万が一にも起こってしまった問題に対して、適切な対処をするため、
そして、これから生まれてくる赤ちゃんのお口の健康を守り育て、一本も虫歯にならないようにするためのお手伝いをさせていただくためというお話をさせていただきました。
今日からは、マタニティー外来では、具体的にどのようなことを行っているのかというお話です。
まずは、対象となる患者さんです。
マタニティー外来というということから、妊婦さんだけと思われがちですが、そうではありません。
これから赤ちゃんがほしいなと思っているような方も対象となるんです。
岡山大学の仲井雪絵先生が提唱されている「マイナス一歳から始める虫歯予防」というコンセプトでもあるように、
妊娠してからではなく、妊娠する前からの口腔ケアの大切さを理解していただきたいと思っています。
妊娠中には、
1.つわり等で口腔内の環境が悪くなりやすい
2.中等度以上の歯周病にかかっている女性が、妊娠すると早期低体重児出産のリスクが高くなる
3.妊娠中は、ホルモンの関係で歯ぐきがとても腫れやすくなる
4.妊娠中は、親知らずの周りの歯ぐきが腫れる病気が起こりやすくなる
5.出産後に、お母さんのお口の中にいる虫歯菌がお子さんに移る可能性があるため、可能な限り積極的にお口中の
虫歯菌のコントロールをしておいたほうが良い
等の理由から、妊娠前にちゃんと検査をし、必要な治療を行っておくことが、ご自身だけでなくこれから生まれてくるお子さんのお口の健康のためにも有用なんです。