前回のブログから、
『義歯洗浄剤は効果があるのか?』ということについてお話ししています。
日本歯科医学会、日本歯科医師会の協力のもと、日本補綴学会(入れ歯等の義歯に関する学会だと思って下さい)が義歯管理に関する臨床的エビデンス(科学的根拠に基づいたガイドラインの様なもの)の中に、
義歯洗浄剤の使用はバイオフィルムの除去に有効か?
というものがあり、
それによると、
義歯洗浄剤には、多くの種類があり、その違いは単にメーカーの違いというだけにとどまらず、主成分も様々なものがあるということでしたね。
そして、商品名「ポリデント」にも種類がいくつかありますが、そのほとんどは酵素入り過酸化物が主成分になっています。
その詳細は前回のブログをご覧になってみて下さいね。
今回はそれぞれの主成分の得手不得手についてです。
殺菌作用についていえば、
非常に強いのは次亜塩素酸、銀系無機抗菌剤、そして消毒薬となり、
酵素や生薬はそれに比べて弱いそうです。
バイオフィルム除去能力についてを比較すると、
銀系無機抗菌剤、酸、消毒薬が非常に強く、
過酸化物、酵素入り過酸化物も比較的強いが、
酵素や生薬は弱いようです。
しかし、殺菌作用やバイオフィルム除去能力に優れる
次亜塩素酸系、酸、過酸化物は、
義歯の材料に対する影響も強いのです。
一方で、
酵素系や生薬は義歯の材料に対する影響も弱いのです。
以上のことを考慮に入れた場合、
殆どのポリデントの主成分である酵素入り過酸化物は、
その特徴として、
殺菌作用も比較的強く、
バイオフィルム除去能力も高く、
材料に対する影響が比較的弱い物
だといえるのですね。
そして、それ以外にも消臭効果がかなり高い洗浄剤といえるのです。
簡単にいうと、
主成分が酵素入り過酸化物であるポリデントは、
殺菌、洗浄力に優れ、義歯に対する影響も少なく、
消臭効果に優れた義歯洗浄剤なんです。
次回は、義歯の正しい洗浄の仕方についてお話ししますね。