前回のブログで『義歯の洗浄はなぜ必要なのでしょうか?』についてお話させて頂きました。
日々の義歯の清掃を怠ると、義歯にデンチャープラークと呼ばれるこびりつく歯垢が蓄積されてしまい、義歯性口内炎と呼ばれる口内炎、針金がかかっている歯の虫歯や歯周病の原因となるのです。
そして、それだけでなく、誤嚥性肺炎と呼ばれる特殊な肺炎の原因ともなると言われており、お口の健康にとどまらず、お身体の健康の為にも義歯の洗浄は重要なんですね。
最近の研究では、お口の中を清潔に保つことでインフルエンザの予防にも効果があると言われているんです。
実際の義歯の洗浄の仕方としては、義歯専用ブラシを用いる清掃が最も簡便でコストも低い方法であり、
尚且つ、この義歯専用ブラシは有効だということが科学的にも証明されているということでした。
では、どのようなブラシが良いのでしょうか?
高齢者の場合は義歯をブラッシングする時の力が一般の成人と比べて小さくなりがちで、握力も弱いことから、ブラシの形状によっては清掃効率が低くなってしまうのです。
市販されている義歯専用ブラシのうち、先端に硬・軟2種類の毛先が植立されている形状のものは、高齢者でも比較的効率良く清掃できるといわれています。
臨床研究における義歯の清掃については、流水で流すだけの清掃ではバイオフィルム(義歯にこびりついた歯垢)の除去はできなかっただけでなく、ブラシによる方法のほうが、過酸化水素水液(オキシドール)に5分浸漬する方法よりもバイオフィルム(義歯にこびりついた歯垢)の除去効果が高かったそうです。
義歯専用のブラシで磨くことがいかに重要か、おわかりいただけましたか?
次回は、効果的な義歯の洗浄仕方についてです。