ゴールデンウィークも終わりましたね。
お天気にも恵まれて、良かったですね。
東京湾のソラちゃんはどうなったんでしょうか?
さて、前回の続きです。
糖尿病の人が感染症にかかりやすく悪化しやすいのはなぜでしょう。
人間の体は、ウイルスや細菌が侵入しようとする事に対し常に戦っています。
これを感染防御といいますが、糖尿病では以下のことから、感染防御機構がうまく機能しなくなるのです。
(1) 白血球(好中球)の機能の低下
白血球(好中球)は体内にウイルスや細菌が侵入すると、それを取り囲んで食い殺します。血糖値が高くなると、この機能が低下してしまうのです。
(2) 免疫反応の低下
免疫反応とは、一度感染した病原体や異種タンパクに対し、体内でそれに対する抗体を作り、もし、次に同じ病原体がからだに侵入しようとしたときに、それを防ぐように働く仕組みのことです。高血糖では、この免疫反応も弱くなっています。
(3) 血流が悪くなる
血糖値が高いと、細い血管の血液の流れが悪くなります。その為に、酸素や栄養が十分に行き渡らず、細胞の働きが低下したり、白血球が感染部位に到達しにくくなって、感染しやすくなります。
さらに、感染で受けたダメージの回復にも時間がかかりますし、抗生物質などの薬物治療でも、薬が感染部位に到達しにくいため、薬の効果が弱くなります。
(4) 神経障害が感染・悪化の一因に
神経障害があると、痛みを感じる神経も障害されるので、症状が現れにくく、感染症に気付くのが遅れ、その間に病気が進行してしまいます。
(5) 血糖値がより上昇する
一度細菌類に感染すると、インスリンを効きにくくする物質(サイトカインなど)が多くなって、血糖値は普段よりも高くなります。このことが糖尿病の状態をより悪くしてしまい、感染症をさらに進行させてしまうという悪循環が生まれます。
ちょっと難しかったかもしれませんね。いづれにしても、感染には注意は注意が必要です。
ではどうするのか?
手強い病原菌には抗生物質で反撃をします。
感染症は、体内に侵入した細菌類が増殖して悪さを働く病気です。ですからその治療は、病原菌を殺菌することが目的となります。
基本的にそのための手段として、まず考えられるのは、からだの抵抗力を高めることです。
安静にし、温かくすることで、からだがもっている本来の抵抗力が高まります。しかし、これで対応できるのは軽い感染症のとき。
風邪を引いたときは暖かくして寝るのが一番なのはこの為ですね。
からだの抵抗力が弱っているときは、別の手段も用いる必要があります。
そこで登場するのが抗生物質です。
抗生物質は何種類ものタイプがあり、目標となる病原菌にあわせて使い分けられます。
つまり、感染しやすくそして感染症が悪化しやすい糖尿病の人では、抗生物質が必要なことが多くなります。
歯科治療においても、外科処置を行なう場合はその処置をおこなう前から、あらかじめ抗生物質を飲んでもらったうえで、治療する事もあります。
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