前回のブログ
でもお伝えしましたが、ITの影響もあり、世の中には本当に多くの情報があふれていて、その力の凄さを感じます。そして、それに翻弄されないようにしなくてはいけないなと感じる事があります。これはインターネットのことだけではありません。
例えば雑誌です。最近話題になっている男性雑誌は、中年男性のスタイルについてふれていますが、よくよく考えると、これをすればかっこいいとか、これが今のトレンドだという言葉のもと、購読者の購買意欲をそそっているだけで、それが上手くいっているため、もの凄い数の広告が掲載されています。ビジネスとしての成功例としても注目されています。ただし、このような意図を知ってか、知らずにか、不惑の年齢以上のいいオヤジ(私もその一人です)が、惑わされ、踊らされ、それを楽しんでいます。
この事は、趣味の問題ですし、それを楽しめば良いわけで、そのきっかけを雑誌が作ってくれているのでしょうから、否定するつもりはもちろん、問題視するつもりもありません。
しかし、孔子がみたらどう思うのでしょうか?
私はバイクやクルマが好きで、よくそれらに関する雑誌を読みます。その中のインプレッションと呼ばれる記事の多くは、良いことしか書いていないことがあります。また、何台かを比べるインプレッションの場合は、その台数と同じ数の記者を設定し、それぞれのお気に入りは必ず均等になり、どれか一つが特別な賞賛をされないようにされている事があります。これは、おそらく広告主に対する配慮のためで、これは、出版に携わる方たちの努力が伺える事でもありますが、結果として購読者は、その行間を読まなければならいこともあります。
いずれにしても、情報とは、必ず出す側に、制約や、意図、デバイス、あるいは何らかの形で一方的な意見になってしまうようです。
このブログのようにスポンサー等の制約を受けないはずのものですら、何らかの意図があり、一つの立場からの物言いにすぎません。
あえて言わせて頂けば、わかりきったことですが、このブログは、馬見塚デンタルクリニックの宣伝です。
しかし、私達は、その一方で、この「健康歯考」というブログを、一般の方にとっての一つ「開業歯科医院の歯科医師、歯科衛生士、受付、スタッフが書いた世界で一番分かりやすい歯科の教科書」(この表現もベタですね)にしたいと思っております。
今後もどうぞ宜しくお願いします。
さて、前置きが長くなりましたが、本題です。
インプラント外科手術にともなう麻酔にかかわり、死亡にいたるような重篤な偶発症についてです。
基本的にインプラント外科治療は局所麻酔下で行います。この時用いられる麻酔薬に対してアレルギーのある患者さんがいらっしゃいます。このアレルギー反応が重篤だと呼吸困難から死亡に至る場合があります。
対応策としては、一度も局所麻酔を受けた事がない方の場合には、アレルギーに対するテストを受けて頂く事が一つの目安となります。
また、万が一にもアレルギー反応がでてしまった場合、それに対応できるようなトレーニングを受けた歯科医師、あるいは専門の麻酔医が処置にあたりその為に必要な器具、器材,薬品等が準備されている事、あるいは救急車を呼び迅速に対応する事が大切です。
そのためには万一に備え、スタッフは全員、救急対応のトレーニングを受け基本的な蘇生の対応が出来るようにしなければなりません。それと同時に緊急対応できる医療機関と医療連携等がとられている事も大切です。
局所麻酔以外にもインプラント外科手術においては、静脈内鎮静法という麻酔を併用する事があります。この方法は、全身麻酔とは全く異なり、意識を失う事もありません。麻酔のトレーニングを受けた専門の歯科医師が、管理をして行えばリスクもほとんどないといえます。逆に手術を受ける方にとってはリラックスした状態で手術を受ける事が出来ますし、私達としても患者さんの状態を直接管理するスタッフがチームに入る事で、より安全に手術が出来るというメリットがあります。
デメリットとしては、スタッフを増やす事、そして手術時間自体が延びる事はないのですが術前から術後までの準備、コントロール、そして覚醒にある程度時間を要するために、患者さんが院内に滞在して頂く時間が長くなります。
他にも場合によってはごく僅かではありますが、インプラント手術で全身麻酔が併用される可能性があります。
これは入院設備のある医療機関が行う方法であり、この場合は全身麻酔に伴うリスクがありますが、基本的には術前の検査と術後の入院等でリスクをコントロールする事で対応しているようです。
ちなみに当医院では、基本的に全てのインプラント一次手術には麻酔医もチームに参加し、術前に全身状態を把握させていただき、術中も全身管理のもとで手術を行っておりますが、全身麻酔は行っておりません。また救急対応の薬剤、器具器材等も準備しておりますし、救急対応医療機関として聖路加国際病院と医療連携をとっております。
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