昨日は診療が終わってから、スタッフと一緒に当ビルの最上階にあるルークと言うレストランの屋上ビアガーデンに行ってきました。さすがに最上階という事もあり涼しく、眺めも素晴らしい中、みんなで暑気払いができました。時々みんなで飲み会を開くのですが、その時にいつも「当院のスタッフはみんな何をするにもパワーがあり、素敵だな」と思います。当たり前ですが、当院はこのスタッフみんなの力で成り立っています。大切にしなくてはいけませんね。
さて今回は、8月6日の読売新聞の医療ルネサンスに、「歯を失ったら」と題してインプラントに関する記事が掲載されていた記事に関するお話です。インプラントに関する不幸な記事が続いています。とても悲しい事です。
記事を要約すると
「都内の歯科医院で、下顎の奥歯にインプラント治療を受け、そのうちの一本の具合が悪いため再手術を受けたそうです。その結果、下顎の中を通る神経をインプラントがつき刺してしまい、その神経をねじ切ってしまい麻痺が起きてしまった。」とのことです。
では、まずこのような事は、簡単に起こり得る事なのかということです。
実は、「下顎の神経の損傷」という事については、下顎の奥歯の部分に対するインプラント治療の際に、一番注意しなくてはいけないことなのです。
特に奥歯を歯槽膿漏で失ってしまわれたような場合、残された骨の量が少なく、顎の骨の厚さや、深さが充分に取れない場合があるのです。
そのような状態で、無理をしたり、あるいは充分な術前の検査をすること無しにインプラント手術を施したりすると、このような事は充分に起こり得るのです。
また、今回の記述のように、一度埋め込まれたインプラントの具合が悪く、そのインプラントを取り去り、再手術によって新しくインプラントを埋め込む場合も注意が必要なのです。
なぜなら一つには、なるべく、インプラントがもとあった場所に近くに、新しいインプラントを埋め込みたいのですが、そこの部分はもとのインプラントの具合が悪くなった事によって、場合によっては、よりいっそう骨の量が少なくなってしまい、神経の管までの距離が、非常に短くなってしまう事があります。
また、最初に手術をするときには、治療計画の時点で、手術にとって有利な条件の部位にインプラントを埋めるようにするため、再手術の際は、条件が不利になる事もあるのです。
このような条件の場所に、再手術を行う場合には、前にあったところだから安心なのではなく、より慎重な検査と診断、そして手術が必要なのです。
他にもこのような偶発症が引き起こされることはあります。その事に付いては次回以降にさせて下さい。
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