前回、「医療関係者は数字や統計学というものを用いて分析していくことで、治療効果を少しでも高くしようと努力しているのです。」というお話をしました。
テレビ、新聞、雑誌、インターネットで治療について調べても「成功率が何%だ」とか、「症例数が何百です」というものをご覧になると思います。
この数字にも、いろいろと突っ込みどころがあり、それをどうとらえるかをこれから知ってもらえればと思うのですが、まずその前にもう少し身近な数字で、この数字捉え方を学んでみましょう。
では、よくある宣伝です。
驚異のダイエット食品! 1日1回これを食べるだけ! たったの3カ月で30キロの減量に成功!といったものがありますよね。
このような数字には、我々からすれば、突っ込みどころ満載なのです。もちろんこのような表現が嘘をついていると言っているのではありません。
たとえば、
たしかにこの人(対外このような宣伝の場合、体験者の型の写真が載っていますものね)には効果があったのでしょうが、これが、本当に皆さんに聞くものなのか?
あるいは単に特異な場合だったのかがこの表現ではわからないのです。
また、以前に何かの雑誌で、
このような、使った→減った(あるいは効いた)というのは、〈祈った→降った→(だから)効いた〉とする雨乞いと同質であるとして、『雨乞い【3た】論法』というと書かれていた記憶があります。(うまいことを言いますよね)
期限を決めず、雨が降るまでずっと雨乞いを続けていれば、すべての雨乞いは“有効”ということをもじっているのだと思います。
こういった数字の使い方は、民間療法や健康食品の宣伝そして、語学学習の宣伝等良く使われる論法ですね。
もしそれが事実ならば、世の中で太った人がこんなにいるのはなぜでしょうね。
そして、アメリカや日本までもが国を挙げてメタボ対策をしているのはなぜでしょうね?
また、世界中の医療者が日夜研究を重ねているがんについても、その民間療法が万人に有効であれば、がんの人もいなくなっているはずですよね。そうしたらどれほど幸せなのでしょう。
ですから、みなさんもこのような耳触りのよい宣伝文句にだまされないようにしてくださいね。
アッ、すみません。このような宣伝が全部嘘を言ってるというのではありませんよ。
話は、横道にそれますし、これは単なる私見ですが、なぜこれほどまでに様々なダイエット法が世の中にはあるのでしょうか?
そして、ブームになったダイエット法は今どうなっているのでしょうか?
また、芸能人の方でダイエットを提唱された方たちはその後どうなのでしょうね。
生理学的に考えると、食事をバランスよくコントロールし、継続的に適度な運動を継続する以外に、体重、厳密には体組成のコントロールはできないのではないでしょうか?
ちなみに私は、3年前から始めたクロストレーニング(走る、泳ぐ、自転車に乗る)の実践で、体脂肪率は10%代の前半を維持しています。